事業承継・M&A補助金とは:2026年の事業承継・事業再編を加速する国の支援策

行政書士 潮海俊吾

執筆・監修:行政書士 潮海 俊吾(シオミ シュンゴ)

京都府行政書士会(登録番号19272132号)

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事業承継・M&A補助金とは:2026年の事業承継・事業再編を加速する国の支援策

I. 事業承継・M&A補助金とは:2026年の事業承継・事業再編を加速する国の支援策

A. 制度の概要と目的

事業承継・M&A補助金は、中小企業・小規模事業者が事業承継やM&A(合併・買収)を実施する際に発生する費用の一部を国が補助する制度です。この補助金は、円滑な事業承継や事業再編・統合を強力に促進し、ひいては日本経済の活性化に貢献することを主な目的としています。事業の持続可能性を高め、新たな成長へと繋げるための重要な支援策として位置づけられています。

B. 令和6年度補正予算による名称変更と支援拡充

本補助金は、令和6年度補正予算において、これまでの「事業承継・引継ぎ補助金」から「事業承継・M&A補助金」へと名称が変更されました。この名称変更は、M&Aを通じた事業再編・統合への支援をより明確にし、強化する意図が込められています。支援内容も拡充され、より多岐にわたる事業承継・M&Aの形態に対応できるようになりました。

II. 2026年における事業承継・M&A補助金の最新動向と今後の展望

A. 現在進行中の公募状況と2026年への影響

現在進行中の公募回(例:11次、12次、13次公募)は、令和6年度補正予算に基づき実施されており、その事業実施期間や申請受付期間は2026年まで及んでいます。具体的には、11次公募の事業実施期間は2026年10月11日までとされており、多くの事業者が現在もこの制度を活用しています。また、13次公募の申請受付期間は2025年10月31日から2025年11月28日までとされており、今後の申請に向けた準備が求められます。

これらの公募を通じて、中小企業・小規模事業者が事業承継やM&Aを円滑に進めるための多岐にわたる経費が補助対象となります。

  • 補助対象となる主な経費:設備投資、専門家活用(FAやM&A仲介業者など)、経営資源の引継ぎ
  • 補助対象となる主な経費:M&A後の経営統合プロセス(PMI: Post Merger Integration)、または不採算事業の廃業・再チャレンジにかかる費用

B. 2026年度(令和8年度)以降の政策展望

事業承継支援は、引き続き国の重要な政策として位置づけられています。令和7年度補正予算案にも関連予算が盛り込まれていることから、2026年度(令和8年度)以降も同様の支援が継続されることが強く期待されます。

2026年以降の政策においては、補助金が以下のポイントに沿った支援を強化する方向性が示されています。

  • 企業の競争力向上や人手不足に対応するための省力化・効率化への投資
  • 産業構造変革を見据えた新製品の開発や新事業への挑戦を支援

III. 事業承継・M&A補助金の主要な4つの枠組みと支援内容

「事業承継・M&A補助金」には、事業のフェーズや目的に応じて、以下の4つの主要な枠が設けられています。

A. 事業承継促進枠

  • 対象事業者:親族内承継や従業員承継を予定している中小企業・小規模事業者。
  • 支援内容:事業承継を契機として行う経営革新(例えば、新たな設備投資、販路開拓、新サービスの導入など)にかかる費用を支援します。

B. 専門家活用枠

  • 対象事業者:M&Aによる経営資源の譲渡(売り手)または譲受(買い手)を行う中小企業・小規模事業者。
  • 支援内容:M&Aに係る専門家(ファイナンシャルアドバイザーやM&A仲介業者など)の活用費用を支援します。

C. PMI推進枠

  • 対象事業者:M&A後の経営統合プロセス(PMI: Post Merger Integration)に取り組む事業者。
  • 支援内容:M&Aが成立した後、事業のスムーズな統合とシナジー効果の最大化を図るために発生するPMIにかかる費用を支援します。

D. 廃業・再チャレンジ枠

  • 対象事業者:事業承継やM&Aに伴い不採算事業の廃業を決定した場合、またはM&Aが不成立に終わった場合の廃業を検討している事業者、そして新たな事業への再挑戦を志す事業者。
  • 支援内容:事業の廃業にかかる費用や、廃業後の再チャレンジにかかる費用を補助します。

IV. 補助金の申請プロセスと必要な準備

A. 補助率と補助上限額

各枠には、それぞれ異なる補助率や補助上限額が設定されています。さらに、賃上げの実施や特定の要件を満たすことで、補助上限額が引き上げられる特例措置も設けられており、事業者の積極的な投資や経営改善を後押しします。

B. 申請手続きの要点

  • 申請は、国の共通電子申請システムである「jGrants」を通じて行われます。
  • 申請に際しては、事前にGビズIDプライムアカウントの取得が必須となります。
  • 申請内容の作成を第三者に依頼する場合は、行政書士(または行政書士法人)に限定されており、行政書士証憑および委任契約書の提出が必須となるため、注意が必要です。

C. 最新情報の入手と問い合わせ

本補助金の最新情報や詳細な公募要領は、中小企業庁の関連ウェブサイトで随時公開されます。申請を検討する事業者は、各公募回の「公募要領等ダウンロード」「公募申請手続き」「よくある質問」のページを定期的に確認することが重要です。

不明な点がある場合は、以下のコールセンターに問い合わせが可能です。

  • お問い合わせ受付時間:09:30~12:00、13:00~17:00(土・日・祝日を除く)
  • 専門家活用/廃業・再チャレンジ:050-3145-3812
  • 事業承継促進:050-3192-6274
  • PMI推進:050-3192-6228

ただし、電話が集中しつながりにくい場合があるため、事前に「よくある質問」の確認が推奨されます。

V. まとめ:2026年に事業承継・M&Aを成功させるための戦略的活用

A. 補助金活用の重要性とメリット

事業承継・M&A補助金は、中小企業・小規模事業者にとって、事業承継やM&Aに伴う経済的負担を軽減し、経営革新や成長戦略を加速させるための強力なツールです。この制度を戦略的に活用することで、後継者不足の解消、事業の多角化、競争力の強化、新たな市場への参入など、多岐にわたる経営課題の解決に繋がり、持続的な企業成長を実現する大きなメリットがあります。

B. 早期の情報収集と計画的な申請準備の呼びかけ

2026年も引き続き、事業承継・M&A補助金は中小企業の未来を支える重要な施策となります。政策の方向性や公募状況、申請要件は随時更新されるため、早期の情報収集と計画的な申請準備が成功の鍵を握ります。中小企業庁や関連ウェブサイトで最新情報を常に確認し、専門家との連携も視野に入れながら、最適なタイミングでの申請を目指しましょう。

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