法人化すべきか迷っている方へ。
メリット5つ・デメリット2つと、自分で設立 vs 専門家に依頼の費用比較をまとめました。
▶ この記事の結論
会社設立(法人化)には、社会的信用の向上・税負担の最適化・資金調達のしやすさ・決算期を自由に決められる・有限責任という5つのメリットがあります。一方で、赤字でもかかる法人住民税の均等割(年約7万円)と事務負担の増加という2つのデメリットがあります。所得がおおむね550万〜600万円を超えるあたりが法人化を検討する一つの目安です。株式会社の設立にかかる法定費用は約18万〜24万円(電子定款なら印紙代4万円が不要。合同会社はさらに安く設立できます)。
音楽:魔王魂
本記事の内容
・ 会社設立の5つのメリット
・ 会社設立の2つのデメリット
・ 自分で設立 vs 専門家に依頼:費用比較
・ よくある質問
・ まとめ
1. 社会的な信用度の向上
会社を設立するには、目的・商号・所在地・資本金額・代表者・役員などを法務局で登記する必要があります(会社法第911条3項)。これにより取引先からの信頼感が個人事業主とは大きく異なります。企業によっては法人としか取引を行わないところもあるため、会社を作らないとそもそも取引できないというケースもあります。
2. 税金面での優遇
個人事業主は累進課税制で「所得税」を支払いますが、法人であれば総所得を法人所得と個人所得(役員報酬)に分けて計算できます。所得総額が550万〜600万円を超えるようであれば、法人化を検討する価値があります。経費として計上できる範囲も法人の方が広くなります。
3. 資金調達での優遇
個人事業主が金融機関から融資を受ける場合、連帯保証人や担保の設定を求められるケースが多いです。一方、法人は厳格な会計処理(損益計算書・貸借対照表の作成)が求められるため、金融機関が審査しやすく、資金調達がスムーズになります。
4. 決算日を自由に決められる
個人事業主の事業年度は1月〜12月と法律で定められていますが、法人は定款によって決算日を自由に設定できます。自社にとって最も有利な月に決算日を設けることで、税務上のメリットを享受できます。
5. 責任が限定される
個人事業主は事業上の借入や支払いについて経営者個人が無限に責任を負います。しかし法人(株式会社・合同会社)の場合、出資した金額の範囲内での有限責任となります。ただし経営者個人が保証人となっている場合は返済義務が残ります。
1. 赤字でも必ずかかる費用がある
会社を設立すると、赤字であっても毎年法人住民税の均等割(約7万円程度)を必ず支払わなければなりません。個人事業主にはこの負担はありません。
2. 事務的負担の増加
法人は個人事業主より厳密な会計ルールに従う必要があります。法人税の申告は所得税より複雑で、税理士への依頼が事実上必須です。社会保険の加入義務、労働保険の手続き、株主総会の開催、役員変更登記など、法律上求められる手続きも増えます。
株式会社の設立にかかる法定費用は、定款にかかる費用と登記にかかる費用の2つです。
| 費用項目 | 自分で設立(紙定款) | 専門家に依頼(電子定款) |
|---|---|---|
| 定款認証手数料 | 30,000〜50,000円 | 30,000〜50,000円 |
| 定款の謄本代 | 約2,000円 | 約2,000円 |
| 印紙代 | 40,000円 | 0円(電子定款) |
| 登録免許税 | 150,000円〜 | 150,000円〜 |
| 専門家報酬 | 0円 | 66,000円〜(税込) |
| 合計の目安 | 約222,000〜242,000円 | 約248,000〜268,000円〜 |
※定款認証手数料は資本金の額で変動します(100万円未満:3万円/100万円以上300万円未満:4万円/300万円以上:5万円)。2024年12月以降、発起人が自然人3人以内・全株引受・取締役会非設置などの要件を満たす資本金100万円未満の株式会社は1万5,000円に引き下げられました。
※登録免許税は資本金額×0.7%(最低15万円)。
※合同会社は定款認証が不要で、登録免許税も最低6万円のため、株式会社より設立費用を抑えられます(→ 法人の種類と選び方)。
自分で電子定款を作る場合の落とし穴:
印紙代4万円を節約するために自分で電子定款を作成する場合、PDF変換ソフトの購入、マイナンバーカード(電子証明書)の取得、ICカードリーダーの購入など、結果的にそれ以上の手間と費用がかかるケースがほとんどです(→ 電子定款とは)。
専門家に依頼する最大のメリット
費用面の差はわずかです。最大のメリットは、忙しい経営者の時間を会社設立に割かなくて済むこと。定款の内容チェック、公証役場との調整、登記申請まで一括で任せることで、本業に集中できます。
Q. 会社設立のメリットは何ですか?
主に5つあります。①社会的信用の向上、②所得を法人と役員報酬に分けられる税負担の最適化、③金融機関からの資金調達のしやすさ、④決算期を自由に設定できる、⑤出資額の範囲内で責任を負う有限責任、です。
Q. 会社設立のデメリットは何ですか?
主に2つです。①赤字でも毎年かかる法人住民税の均等割(年約7万円)、②会計・税務・社会保険などの事務負担の増加(法人税申告は複雑で税理士への依頼が事実上必須)です。
Q. どのくらいの所得で法人化を検討すべきですか?
一つの目安は、所得総額がおおむね550万〜600万円を超えるあたりです。法人化すると所得を法人所得と役員報酬に分けられ、税負担を最適化しやすくなります。ただし社会保険料や事務負担も増えるため、総合的に判断することが大切です。
Q. 株式会社と合同会社、設立費用はどちらが安いですか?
合同会社のほうが安く設立できます。合同会社は定款認証が不要で、登録免許税も最低6万円です。一方、株式会社は社会的信用や資金調達の面で有利です。どちらが適しているかは事業の方針によります。
会社設立には社会的信用の向上・税金面の優遇・資金調達のしやすさなど大きなメリットがありますが、赤字でも発生する費用や事務負担の増加というデメリットもあります。メリット・デメリットをしっかり理解し、自分にとってより高い利益が見込めるかを見極めることが大切です。
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