産業廃棄物収集運搬業の許可とは|必要な場合・いらない場合と産廃20種類

INDUSTRIAL WASTE / BASICS

産業廃棄物収集運搬業の許可とは 必要になる場合・いらない場合

運ぶものが産業廃棄物か、誰が出したものか、どこで積んで降ろすかで、許可の要否と取得先が決まります。廃棄物処理法の条文と自治体の公表資料に沿って整理しました。

  • 20種類法令で定める産業廃棄物
  • 都道府県ごと積込み地と荷降ろし地で許可
  • 4品目許可がいらない専ら物
  • 5年許可の有効期間

この記事は、廃棄物処理法と各自治体の公表資料をもとに、2026年10月28日に内容を確認しています。執筆:行政書士 潮海俊吾

このページでは、産業廃棄物を運ぶ仕事に許可が要るかどうかを判断するための基本を説明します。京都府で許可を申請するときの要件・期間・費用は、京都府の産業廃棄物収集運搬業許可申請のページにまとめています。

産業廃棄物収集運搬業の許可とは

他人が排出した産業廃棄物の収集・運搬を業として行うには、産業廃棄物収集運搬業の許可が必要です(廃棄物処理法第14条第1項)。許可は、産業廃棄物を積み込む場所と荷を下ろす場所がある都道府県の知事から、それぞれ受けます。

排出事業者(産業廃棄物を出した会社)は、収集運搬を委託するとき、許可を持つ業者に委託しなければなりません(同法第12条第5項)。取引先から許可証の写しを求められるのはこのためです。

項目内容
許可が必要な人他人の産業廃棄物を、業として収集・運搬する人(法人・個人)
許可を出す行政庁積込み地・荷降ろし地の都道府県知事。政令指定都市の扱いは自治体ごとに異なる(京都市の扱いはこちら)
許可の単位扱う産業廃棄物の種類(品目)ごとに許可証に記載される。品目を増やすには事業範囲の変更許可が必要
有効期間5年(優良認定を受けた業者は7年)

許可が要るかを4つの質問で判定する

次の順に確認すると、許可が要るかどうかを判定できます。

  1. Q1運ぶものは、法令で定める20種類の産業廃棄物か

    いいえ産業廃棄物以外の廃棄物は一般廃棄物です。収集運搬には市町村長の一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です(違いはこちら)

  2. はい

  3. Q2自社が排出した産業廃棄物を、自社で運ぶか

    はい許可は不要です(法第14条第1項ただし書)。処理基準は守る必要があります

  4. いいえ(他人が排出したもの)

  5. Q3扱うのは古紙・くず鉄・あきびん類・古繊維(専ら物)だけか

    はい許可は不要です。ほかの産業廃棄物と混ざる場合や、再生利用されない場合は許可が必要になります

  6. いいえ

  7. Q4建設工事の下請業者として、小規模な維持修繕工事の廃棄物を運ぶか

    はい6つの条件をすべて満たす場合に限り、許可なしで運べます(条件はこちら)

  8. いいえ

  9. 産業廃棄物収集運搬業の許可が必要です。積込み地と荷降ろし地の都道府県ごとに申請します。京都府での申請は申請の要件・期間・費用をご覧ください。

このほか、環境大臣の再生利用認定・広域認定を受けた場合や、親子会社等が都道府県知事等の認定を受けて一体的に処理する場合(法第12条の7)にも、許可が不要になる特例があります。いずれも事前に認定を受けることが前提です。

産業廃棄物の20種類

事業活動に伴って出る廃棄物のうち、法令で定める20種類が産業廃棄物です。このうち7種類は、特定の業種から出たときだけ産業廃棄物になります。

区分種類
どの業種から出ても産業廃棄物(12種類)燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、鉱さい、がれき類、ばいじん
特定の業種から出たときだけ産業廃棄物(7種類)紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ、動物系固形不要物、動物のふん尿、動物の死体
その他(1種類)上の19種類を処分するために処理したもので、19種類のどれにも当たらないもの(廃棄物処理法施行令第2条第13号)

たとえば紙くずは、建設工事(工作物の新築・改築・除去)や製紙業などから出たときは産業廃棄物ですが、事務所から出たコピー用紙は事業系一般廃棄物です。許可を申請するときは、取引先から実際に運ぶ予定の品目を選びます。

一般廃棄物・特別管理産業廃棄物・処分業との違い

廃棄物の種類と行う業務によって、必要な許可と許可を出す行政庁が変わります。

許可の種類対象許可を出す行政庁(根拠)
産業廃棄物収集運搬業産業廃棄物(20種類)の収集・運搬都道府県知事等(法第14条第1項)
特別管理産業廃棄物収集運搬業引火性の廃油、強酸・強アルカリ、感染性廃棄物など、爆発性・毒性・感染性のある産業廃棄物の収集・運搬都道府県知事等(法第14条の4第1項)。通常の許可とは別に取得
産業廃棄物処分業中間処理(破砕・焼却など)と最終処分(埋立て)都道府県知事等(法第14条第6項)
一般廃棄物収集運搬業家庭ごみと、事業所から出る産業廃棄物以外のごみ(事業系一般廃棄物)市町村長(法第7条第1項)

飲食店の生ごみや事務所の紙ごみを回収する仕事は、一般廃棄物の収集運搬に当たります。この許可は市町村ごとの審査で、産業廃棄物収集運搬業の許可とは別の制度です。

建設工事の廃棄物は元請業者が排出事業者

建設工事に伴って出る廃棄物は、元請業者が排出事業者になります(法第21条の3第1項)。下請業者が現場の廃材を運ぶと、他人(元請業者)の産業廃棄物を運ぶことになるため、原則として収集運搬業の許可が必要です。

例外として、次の6つの条件をすべて満たす場合は、下請業者が許可なしで運搬できます(法第21条の3第3項、宮城県の公表資料による)。

  1. 工事の種類と金額請負代金500万円以下の維持修繕工事、または瑕疵補修工事に伴う廃棄物
  2. 廃棄物の種類特別管理一般廃棄物・特別管理産業廃棄物以外
  3. 運搬量1回に運ぶ量が1立方メートル以下であることが明確
  4. 途中の保管運搬の途中で保管を行わない
  5. 運搬先元請業者が所有権または使用権を持つ保管場所・処理施設で、工事現場と同じ都道府県か隣接する都道府県にある
  6. 携行する書類排出場所・廃棄物の種類と量・運搬先・運搬期間を記載し元請と下請が押印した書面と、請負契約書の写しを携行する

新築工事や、請負代金が500万円を超える工事の廃材は、この特例の対象外です。

許可の基準と欠格要件

都道府県知事は、申請が次の2つの基準に適合していれば許可します(法第14条第5項)。

基準内容
施設と能力の基準(第1号)産業廃棄物が飛散・流出し、悪臭が漏れるおそれのない運搬車両・容器を持つこと。収集運搬を的確に、継続して行える知識・技能と経理的基礎があること
欠格要件に当たらないこと(第2号)申請者本人、法人の役員、政令で定める使用人などが、次の表の欠格要件に当たらないこと

主な欠格要件は次のとおりです(埼玉県の公表資料による)。

欠格要件期間
心身の故障により業務を適切に行えない者として環境省令で定める者—
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者—
拘禁刑以上の刑に処せられた者執行を終えた日などから5年
廃棄物処理法・浄化槽法・生活環境保全関係法令・暴力団対策法などに違反し、または傷害・暴行・脅迫などの刑法の罪を犯して罰金刑に処せられた者執行を終えた日などから5年
廃棄物処理業などの許可を取り消された者(法人の場合、取消しの通知前60日以内に役員だった者を含む)取消しの日から5年
暴力団員、または暴力団員でなくなってから5年を経過しない者、暴力団員等が事業活動を支配する者—

罰金刑の欠格要件は、廃棄物処理法など特定の法令や特定の罪に限られます。たとえば道路交通法違反の罰金刑は対象外です。役員の経歴に心当たりがある場合は、申請前に該当するかを確認してください。

講習会の修了、経理的基礎(赤字決算の場合の書類)、運搬車両、申請の流れなど、京都府で申請するときの具体的な要件は京都府の許可申請ページの「許可の要件」で説明しています。

よくあるご質問

自社で出した産業廃棄物を、自社のトラックで運ぶときも許可は要りますか。

要りません。排出事業者が自ら運搬する場合は、廃棄物処理法第14条第1項ただし書により収集運搬業の許可の対象外です。ただし、運搬にあたっては同法第12条第1項の処理基準(飛散・流出の防止など)を守る必要があります。

グループ会社や取引先の産業廃棄物を運ぶ場合はどうなりますか。

別の法人が排出した産業廃棄物なので、原則として収集運搬業の許可が必要です。親子会社などで一体的に処理する場合は、都道府県知事等の認定を受けて許可なしで運搬できる特例(同法第12条の7)があります。

京都府の許可だけで、大阪府まで産業廃棄物を運べますか。

運べません。荷を下ろす大阪府の許可も必要です。許可は、産業廃棄物を積み込む都道府県と、荷を下ろす都道府県のそれぞれで取得します。運搬の途中で通過するだけの府県の許可は要りません。

解体工事の下請業者ですが、現場の廃材を自社で運ぶのに許可は要りますか。

原則として必要です。建設工事で出る廃棄物は元請業者が排出事業者になるため、下請業者が運ぶと他人の産業廃棄物を運ぶことになります。請負代金500万円以下の維持修繕工事で、1回の運搬量が1立方メートル以下であるなど、6つの条件をすべて満たす場合に限り、許可なしで運搬できます。

古紙や鉄くずだけを回収する場合も許可が要りますか。

古紙、くず鉄(古銅を含む)、あきびん類、古繊維の4品目(専ら物)だけを扱う場合は、許可は要りません。ほかの産業廃棄物と混ざる場合や、再生利用されない場合は許可が必要です。

許可が必要かどうか、判断に迷う場合はご相談ください

運ぶ廃棄物の種類、排出元、積込み地と荷降ろし地を伺い、必要な許可と申請先をお伝えします。初回相談は40分無料です。京都府の新規申請の報酬は10万円(税別)です。電話 075-241-3150(平日9:00〜18:00)

行政書士 潮海俊吾

執筆 行政書士 潮海 俊吾

行政書士潮海事務所 代表(京都市中京区)。京都府行政書士会 登録番号第19272132号。申請取次行政書士(阪行第20-93号)、認定経営革新等支援機関(ID 110026000114)。2019年9月開業。

プロフィール・事務所概要

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参照した資料:廃棄物の処理及び清掃に関する法律・同施行令/宮城県 建設工事における下請負人の運搬の特例/埼玉県 廃棄物処理業等の欠格要件/神奈川県 専ら再生利用の目的となる産業廃棄物の取扱い。運用は自治体によって異なる場合があるため、申請時には許可行政庁の最新の手引きを確認してください。確認日:2026年10月28日

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