【2023】省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金について

2023年省エネルギー投資促進等補助金について解説致します。

 

 

 

本記事の内容
・ 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金とは?

・ 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金について解説!

・ 予算額に注意しよう!

・ ビジネスに役立つ補助金や助成金の活用法とは?

・ まとめ

 

 

省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業とは?

 当該補助金の目的は、地球環境問題への対応の必要性が急速に高まっている状況の下、我が国は、以前より省エネルギー設備投資やエネルギー管理の適正化等を推進し、世界の中でも高い省エネルギー水準を達成しているところではあるが、2030年のエネルギーミックスの達成、また2050年のカーボンニュートラル実現に向け、2021年10月に「第6次エネルギー基本計画」が策定され、更なる野心的な目標が掲げられた。2030年までに6,200万kl程度のエネルギーを削減するためには、産業・業務部門において更なる省エネ設備投資を積極的に呼び込むグリーンリカバリー投資を推進していくことが重要である。
本事業は、事業者が計画した省エネルギーの取組のうち、導入ポテンシャルの拡大等が見込める先進的な設備・システムの導入、機械設計が伴うオーダーメイド型設備への更新やプロセス改修、計測・見える化・制御等の機能を備えたエネルギーマネジメントシステムを導入することにより省エネルギー効果の要件を満たす事業(以下、「補助事業」という。)に要する経費の一部を補助する事業を実施することにより、各分野の省エネルギー化を推進し、内外の経済的社会環境に応じた安定的かつ適切なエネルギー需要構造の構築を図ることを目的とする。

■公募期間
第4次公募:2023年9月8日(金)~ 2023年11月2日(木)※17:00必着
※審査は先着順で予算次第で途中終了する可能性があります。

補助金上限額
(A)先進事業:100万円~15億円/年度(20億円/年度)

(B)オーダーメイド型事業:15億円/年度(20億円/年度)
連携事業:30億円/事業全体(40億円/事業全体) 

(D)エネルギー需要最適化対策事業:100万円/事業全体~1億円/年度
※複数限度の場合はさらに上限が上がる。

■補助対象事業
 エネルギー管理を一体で行っている工場・事業場等(以下、「事業所」という。)において実施する次に掲げる事業区分(A)、(B)、(D)に該当するものを補助対象事業とする。

(A) 先進事業
 資源エネルギー庁に設置された「先進的な省エネ技術等に係る技術評価委員会」において決定した審査項目に則り、SIIが設置した外部審査委員会で審査・採択し、公表した補助対象設備(以下、「(a)先進設備・システム」という。)へ更新等することにより、原油換算量ベースで以下いずれかの要件を満たす事業。
• 省エネルギー率+非化石割合増加率:30%以上
• 省エネルギー量+非化石使用量:1,000kl以上
• エネルギー消費原単位改善率15%以上
※エネルギー消費原単位改善率での申請は、設備更新後において、生産量が増加し、かつエネルギー使用量が増加する事業に限る。

(B) オーダーメイド型事業 
 既存設備を機械設計が伴う設備又は事業者の使用目的や用途に合わせて設計・製造する設備等(以下、「(b)オーダーメイド型設備」という。)へ更新等することにより 、原油換算量ベースで以下いずれかの要件を満たす事業。
• 省エネルギー率+非化石割合増加率:10%以上
• 省エネルギー量+非化石使用量: 700kl以上
• エネルギー消費原単位改善率7%以上
※エネルギー消費原単位改善率での申請は、設備更新後において、生産量が増加し、
かつエネルギー使用量が増加する事業に限る。

(D) エネルギー需要最適化対策事業
 SIIが設置した外部審査委員会で審査・採択し、SIIが公表したエネマネ事業者からエネルギーマネジメントシステム(EMS) (以下、「(d)EMS機器」という。)を導入して「エネルギー管理支援サービス」を契約締結し、導入したEMS機器を用いて計測・見える化・制御により省エネルギー化を図り、さらに省エネルギー診断等によってチューニング等の運用改善を図ることにより、原油換算量ベースで省エネルギー率2%以上を達成する事業。

 

省エネルギー投資促進・
需要構造転換支援事業費補助金について解説!

 3つの事業区分(A)、(B)、(D)があり、各事業区分で補助対象となる設備が異なる。また、各事業区分で補助対象となる設備が異なることに注意です。
ぱっと見でややこしいので、どの申請類型が該当するかは公募要領などをご確認ください。

1.まずは、導入予定の設備が下記要件に合致するかを確認する。
(a)先進設備・システム:SIIがホームページで先進設備・システムとして公表した補助対象設備
(b)オーダーメイド型設備:機械設計を伴う設備又は事業者の使用目的に合わせて設計・製造する設備等であって、設計図書等の納品物があるもの 

2.各導入設備の更新範囲における省エネ計算を行う。
省エネルギー量
(a)先進設備・システムの省エネ量
(b)オーダーメイド型設備の省エネ量

3.(d)を除く、(a)、(b)の省エネ効果を合算する。

4.「事業要件」及び3で算出した省エネ効果が(A)、(B)のどちらの「省エネルギー効果の要件」を満たすか確認し、申請する事業区分を選択。

(d)EMS機器:SIIが補助対象設備として公表したエネルギーマネジメントシステム
省エネルギー量:EMSによる省エネ量
SIIに登録されたエネマネ事業者と「エネルギー管理支援サービス」を契約し、SIIに登録されたEMSを用いて、より効果的に省エネルギー化及びエネルギー需要最適化を図る事業
※引用・参考:第4次公募要領

  先進事業 (A) オーダーメイド型事業 (B) エネルギー需要最適化対策事業(D)
事業要件 – 資源エネルギー庁の「先進的な省エネ技術等に係る技術評価委員会」に則った審査
– SIIの外部審査委員会での審査・採択
機械設計が伴う設備又は事業者の使用目的や用途に合わせた設備 機械設計が伴う設備又は事業者の使用目的や用途に合わせた設備
省エネ効果の要件 ① 省エネ率+非化石割合増加率: 30%以上
② 省エネ量+非化石使用量: 1,000kl以上
③ エネルギー消費原単位改善率: 15%以上
① 省エネ率+非化石割合増加率: 10%以上
② 省エネ量+非化石使用量: 700kl以上
③ エネルギー消費原単位改善率: 7%以上
申請単位で、「EMSの制御効果と省エネルギー診断等による運用改善効果」により、原油換算量ベースで省エネルギー率2%以上を達成する事業
その他の申請要件 – 投資回収年数が5年以上
– エネルギー使用量が1,500kl以上の工場・事業場と中小企業者に該当しない会社は、省エネ法の中長期計画に記載されている事業
– 経費当たり計画省エネルギー量が補助対象経費1千万円当たり1kl以上
– トップランナー制度対象機器を導入する場合はトップランナー基準を満たす機器
同左 同左
補助対象経費 設備費、設計費、工事費 設備費、設計費、工事費 設備費、設計費、工事費
補助率 中小企業者等:
2/3以内
※7年未満: 1/3以内
大企業・その他:
1/2以内
※7年未満: 1/4以内
中小企業者等:
1/2以内
※7年未満: 1/3以内
大企業・その他:
1/3以内
※7年未満: 1/4以内
中小企業者等:
1/2以内

大企業・その他:
1/3以内
補助金限度額 上限額: 15億円/年度(20億円/年度)
下限額: 100万円/年度
※複数年度事業: 30億円(40億円)
上限額: 15億円/年度(20億円/年度)
下限額: 100万円/年度
※複数年度事業: 20億円(30億円)
上限額: 1億円/年度
下限額: 100万円/年度
※複数年度事業: 1億円

予算額などに注意しよう!

 この補助金は募集期間が短く、予算も決まっております。ギリギリの申請だと予算が尽きている可能性がありますので、期限はよくご確認ください。
 また、新たに事業活動を開始する新築・新設の事業所に導入する設備は補助対象となりませんのでご注意ください。

 本補助金は、予算が成立した年度にのみ行われる単年度事業を対象とした予算(単年度分)と、事業規模が大きく(原則として補助対象経費が5千万円以上の事業。)、単年度での実施が困難な複数年度事業を対象とした予算(国庫債務負担行為分)からなる事業である。各予算額は以下のとおり。
■<4次公募予算>
単年度事業:約124億円
複数年度事業(⇒詳細は52~56ページ「5.複数年度事業(国庫債務負担行為分)」参照)
2023年度分(1年度目):約 71億円
2024年度分(2年度目):約362億円
2025年度分(3年度目):約218億円
2026年度分(4年度目):約 8億円
※ 上記の予算額は、全ての事業区分を合わせたものである。また、3次公募の採択結果により、予算額は変更となることがある。
※ 交付決定額の合計が予算額に達した場合、公募期間内であっても交付申請の受付を終了する。
※ 応募状況により予算額を超える見込みとなった場合は、SIIホームページにおいて予算額の残りを表示する等の措置を行う。

■医療法人、学校法人、社会福祉法人や地方自治体も対象になるのか?
医療法人、学校法人、社会福祉法人や地方自治体等も申請可能です。
従業員数が300人以下の場合は、公募要領に定める企業体の「その他中小企業者等
(会社法上の会社以外)」に該当します。従業員数が300人を超える場合は、公募要領に定める企業体の「その他」に該当します。

 

省エネルギー投資促進・
需要構造転換支援事業費補助金の活用法とは?

■先進事業の例
高い技術力や省エネ性能を有しており、今後、導入ポテンシャルの拡大等が
見込める先進的な省エネ設備等への更新等を行う省エネ投資に対して、重点的に支援を行います。

※補助対象設備として採択された先進設備・システムであることが必要です。

水素ボイラ、バイオマスボイラ、高効率工業炉、ドレン回収装置、ガスエンジン発電システム、地中熱回収型空調システム、気化冷却装置、燃料電池(天然ガス駆動)等

 

■エネルギー需要最適化対策事業の例
エネマネ事業者とエネルギー管理支援サービスを締結し、EMSの制御効果と運用改善効果による、より効果的な省エネ取組に対して支援を行います。

当該事業のイメージは下記図参照

 

 

 

■オーダーメイド型事業の例
個別に設計が必要な設備等の導入を含む設備更新やプロセス改修による省エネ取組に対して支援を行います。

当該事業のイメージは下記図参照

 

 

まとめ

 

 最大15億円といった非常に大きい補助金ですが、新施設への設備投資には使えないこと、省エネに重きを置いた補助金であることを念頭において考える必要があります。また、募集期間も短く、予算に限りがありますので興味がある方は早めにご準備下さい。
 
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2023年の他の補助金情報などの情報を知りたい方はこちらの記事もお勧めです。
「2023年の補助金・助成金について」

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