【2025年】新事業進出補助金

本記事の内容
・ はじめに:新事業進出補助金とは
・ 補助金制度の詳細
・ 申請プロセスとスケジュール
・ 新事業進出補助金を活用するメリット
・ 注意点とデメリット
・ 関連補助金制度との比較
・ 採択されるための実践的ポイント
・ まとめ
1. はじめに:新事業進出補助金とは
「新事業進出補助金」は、中小企業が既存事業の枠を超えて新市場や高付加価値事業へ挑戦する取り組みを支援する制度です。目的は、生産性向上と付加価値創出を通じて、従業員の賃上げを促進することにあります。
本制度は2025年に「中小企業新事業進出補助金」として新設され、令和6年度補正予算における「持続的な賃上げを実現するための生産性向上・省力化・成長投資支援」の一環として導入されました。
2. 補助金制度の詳細
2.1 補助対象者
日本国内に本社と事業実施場所を有し、中小企業基本法の範囲内であること。設立から1年以上経過し、従業員が1名以上いる企業が対象です。
対象外:創業1年未満の事業者、従業員0名の事業者、みなし大企業。
2.2 主な要件
- 新事業進出要件: 既存事業とは異なる新市場・新製品・新サービスへの挑戦。
- 事業計画要件: 金融機関・認定支援機関の確認を受けた3〜5年計画。
- 付加価値要件: 事業終了後3〜5年で付加価値額年平均4%以上増。
- 賃上げ要件: 給与支給総額+2.5%以上、または最低賃金+30円以上。
- ワークライフバランス: 次世代育成支援法に基づく一般事業主行動計画を公表。
- 目標未達時: 未達成率に応じて返還義務あり。ただし天災等は免除。
2.3 補助上限額・補助率
- 補助率:原則1/2(税別1,500万円以上の投資が必須)
- 従業員20人以下:2,500万円/特例3,000万円
- 21〜50人:4,000万円/特例5,000万円
- 51〜100人:6,000万円/特例7,500万円
- 101人以上:7,000万円/特例9,000万円
- 特例要件:最低賃金+50円、給与総額+6%以上を計画達成
2.4 補助対象経費
機械装置・システム構築費、建物費(新築・改修含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウド利用費、外注費、知財関連費、広告宣伝費など。
交付決定前の発注は対象外。対象外経費は公募要領で確認が必要。
3. 申請プロセスとスケジュール
- 申請は電子申請のみ。GビズIDプライム取得が必須。
- 第1回公募: 公募要領4月22日公開/申請6月17日〜7月10日/採択発表10月頃
- 第2回公募: 公募9月12日公開/申請11月10日〜12月19日
- 交付決定前の発注経費は補助対象外。
4. 新事業進出補助金を活用するメリット
- 最大1/2の補助率により自己資金負担を軽減。
- 新市場進出リスクを緩和。
- 建物費・広告宣伝費など幅広い経費が対象。
- 収益納付不要。利益を自社成長に還元可能。
- 事業計画策定を通じて自社分析を強化。
- 採択実績が金融機関からの信頼向上につながる。
- 設備導入や挑戦意欲が従業員の士気向上に寄与。
5. 注意点とデメリット
- 競争率が高く、採択の確実性はない。
- 事業計画書の作成に専門知識と時間が必要。
- 補助金は後払い制(入金まで時間を要する)。
- 目標未達時は補助金の一部返還義務が発生。
- 交付決定前発注は対象外。
- 事業化状況報告が5年間義務付けられる。
6. 関連する補助金制度との比較
6.1 事業再構築補助金との違い
事業再構築補助金がコロナ禍の回復支援を目的としていたのに対し、新事業進出補助金は「成長促進」を目的とし、新市場・高付加価値事業への進出を重点支援します。
6.2 他の創業・成長支援補助金との比較
- ものづくり補助金:革新的サービス開発や設備投資を支援
- IT導入補助金:業務効率化に資するITツール導入を支援
- 小規模事業者持続化補助金:販路開拓・効率化を支援
- 創業助成金(東京都):創業・開業支援
- J-Startup(経産省):グローバル展開を目指すスタートアップ支援
- Deep Tech Startup支援:研究開発・事業化支援
7. 採択されるための実践的ポイント
- 認定支援機関への相談で計画品質を高める。
- 過去の採択事例を分析し、傾向を把握。
- 付加価値額・賃上げなどの数値目標を明確化。
- 加点項目(賃上げ・ワークライフバランス・BCP等)を活用。
- 公募開始直後の早期申請で審査優位を狙う。
8. まとめ
「新事業進出補助金」は、中小企業が持続的成長と賃上げを実現するための重要な支援制度です。新市場進出や高付加価値化への挑戦を支援し、建物費や人材育成費を含む広範な経費が補助対象です。
ただし、要件は多岐にわたり、競争率も高いため、申請前に公募要領を確認し、認定支援機関など専門家の協力を得ながら早期に計画的な準備を進めることが成功の鍵です。
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