これから法人化を考えている方へ。
資本金にできるお金・できないお金のルールを解説します。
本記事の内容
・ 借入金を資本金にしてはいけない理由
・ 資本金にできるお金・できないお金
・ 資本金はいくらが適切か
・ 法人化に備えて準備すべきこと
・ まとめ
1. 借入金を資本金にしてはいけない理由
結論から言うと、借りたお金を資本金にするのは原則NGです。銀行融資、カードローン、親族・知人からの借入、すべてが該当します。
資本金とは「自己資金」のこと。返済義務のあるお金を資本金として会社を設立すると、いわゆる「見せ金」とみなされ、以下の法的リスクがあります。
払込みを仮装した場合、発起人は仮装した出資額の全額を会社に支払う義務を負います(会社法第52条の2)。つまり、借入金を使った分と同額を自己資金で改めて出資しなければなりません。
虚偽の資本金額で登記すると、刑法第157条に該当する可能性があります。5年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
簡単に言えば、会社の登記簿に嘘を書くことになるので、会社法と刑法の両方に抵触するリスクがあるということです。
2. 資本金にできるお金・できないお金
判断基準はシンプルです。「返済義務があるか、ないか」。返済義務のないお金だけが資本金にできます。
| お金の種類 | 資本金に | 理由 |
|---|---|---|
| 自分で貯めたお金 | ◎ できる | 最も理想的な自己資本 |
| タンス預金 | ○ できる(条件あり) | 6ヶ月前には銀行口座に戻しておくこと |
| 親族・知人からの贈与 | ○ できる | 贈与契約書の作成を推奨。110万円超は贈与税に注意 |
| 銀行融資 | ✕ できない | 返済義務のあるお金 = 自己資金ではない |
| カードローン | ✕ できない | 同上 |
| 親族・知人からの借入 | ✕ できない | 返済義務がある限り、融資と同じ扱い |
タンス預金の注意点
自分のお金であっても、タンス預金のままでは第三者からはそのお金がどこから来たのか判断がつきません。会社設立の6ヶ月ほど前には銀行口座に入金し、通帳に記録を残しておきましょう。
贈与と借入の違い
親族・知人からのお金でも、「贈与」と「借入」ではまったく扱いが異なります。贈与(返済不要)であれば自己資金として認められますが、借入(返済義務あり)は認められません。贈与の場合は贈与契約書を作成しておくと安心です。110万円を超える場合は贈与税の申告が必要になります。
3. 資本金はいくらが適切か
現在の会社法では資本金1円から会社設立が可能です。しかし、少なすぎても多すぎても問題があります。
| 資本金額 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 1〜50万円 | 初期負担が小さい | 信用力が低い。融資審査で不利。取引先の信頼を得にくい |
| 100〜300万円 | 信用力と初期負担のバランスが良い | — |
| 500〜999万円 | 十分な信用力 | — |
| 1,000万円以上 | 高い信用力 | 設立初年度から消費税の課税事業者になる。法人住民税の均等割が上がる |
目安は300万円。2006年の新会社法施行前は有限会社の最低資本金が300万円でした。この金額は今でも「信頼性」と「税制上の有利さ」のバランスが良いラインです。自己資金で300万円ほどコツコツ貯めてから法人化に踏み切るのがおすすめです。
4. 法人化に備えて準備すべきこと
① 自己資金を銀行口座で管理する
タンス預金は6ヶ月前には口座に入れる。通帳の記録が資金の出所の証明になります。
② 法人の種類を決める
株式会社か合同会社か。設立費用・社会的信用・意思決定の仕組みが異なります。→ 法人の種類と選び方
③ 定款を作成する
電子定款なら印紙代4万円が不要。行政書士に依頼すれば電子定款で対応できます。→ 電子定款とは
④ 設立後に使える補助金を確認する
法人設立後は、小規模事業者持続化補助金(最大250万円)やものづくり補助金(最大4,000万円)が活用可能です。→ 2026年度 補助金ガイド
5. まとめ
・借入金を資本金にするのは原則NG(会社法・刑法に抵触するリスク)
・資本金にできるのは返済義務のないお金(自己貯蓄・贈与)のみ
・タンス預金は6ヶ月前に銀行口座へ
・贈与の場合は贈与契約書を作成。110万円超は贈与税に注意
・資本金の目安は300万円(信用力と税制のバランス)
・1,000万円以上にすると初年度から消費税課税事業者になる
会社設立のご相談はお気軽に
「資本金をいくらにすべきか」「株式会社と合同会社どちらが良いか」
初回相談40分無料でサポートします。
▶ 会社設立サポートの詳細を見る ▶ 補助金申請代行サポートの詳細を見る
関連記事






