建設業許可の費用|手数料9万円・15万円の違いと申請区分を行政書士が解説

建設業許可を取ろうと考えたとき、最初に気になるのが「いくらかかるのか」ではないでしょうか。

許可申請には行政に納める法定手数料がかかります。この金額は一般か特定かではなく、知事許可か大臣許可かで決まります。ここを取り違えている解説も多いため、まず正確なところから押さえてください。

この記事では、京都市中京区の行政書士潮海事務所が、建設業許可の種類と区分申請区分ごとの手数料手数料以外にかかる実費を整理します。許可の要件そのものについては建設業許可の要件と手続きの流れをご覧ください。

1.建設業許可の種類と区分

建設業許可の種類と区分

建設業許可は、「知事許可か大臣許可か」「一般か特定か」という2つの軸で分かれます。この2つは別の話なので、混同しないようにしてください。

知事許可と大臣許可(営業所の場所で決まる)

  • 知事許可……1つの都道府県内にのみ営業所を置く場合。京都府内だけなら京都府知事許可
  • 大臣許可……2つ以上の都道府県に営業所を置く場合

知事許可でも工事を行う場所に制限はありません。京都府知事許可で大阪や滋賀の工事を施工できます。営業所をどこに置いているかの話であって、営業エリアの話ではありません。

一般と特定(下請けに出す金額で決まる)

発注者から直接請け負った1件の工事について、下請契約の総額が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)となる場合は、特定建設業許可が必要です。それ以外は一般建設業許可で対応できます。

この金額基準は改正が続いています。令和7年2月1日に4,500万円(建築一式7,000万円)から現在の5,000万円(同8,000万円)へ、その前の令和5年1月1日に4,000万円(同6,000万円)から4,500万円へ引き上げられました。古い解説では3,000万円や4,000万円と書かれていることがあるため、区分を判断するときは必ず最新の金額でご確認ください。

複数の下請業者に出す場合は、その合計額で判断します。また、下請けの立場で工事を受ける場合は、金額にかかわらず一般建設業許可で対応できます。同一の業種について、一般と特定の両方の許可を受けることはできません。

特定建設業許可には、一般よりも厳しい要件が課されます。専任技術者は原則として一級の国家資格者等であることが求められ、財産的基礎についても資本金・自己資本・欠損の額・流動比率の要件があります。

業種は29種類(業種ごとに取得します)

建設業許可は、土木一式・建築一式の2つの一式工事と、27の専門工事を合わせた29業種に分かれています。許可は業種ごとに取得するもので、「建設業許可を取った」だけではどの工事でも請け負えるわけではありません。

後述のとおり、業種の数が増えても手数料は変わりません(同じ申請区分で同時に申請する場合)。将来的に広げる予定がある業種は、最初の申請でまとめて取得しておくほうが結果的に安く済みます。

2.申請にかかる法定手数料

申請にかかる費用を計算する

行政に納める費用は、知事許可は「許可手数料」、大臣許可は「登録免許税」という名目で、申請区分ごとに金額が決まっています。

申請区分 知事許可 大臣許可
新規
(許可換え新規・般特新規を含む)
9万円
一般と特定を同時に申請する場合は18万円
15万円
一般と特定を同時に申請する場合は30万円
業種追加 5万円 5万円
更新 5万円 5万円

ここが最も誤解の多い点です。手数料は一般か特定かでは変わりません。「特定は高い」という説明を見かけますが、金額を決めているのは知事許可か大臣許可かです。知事許可なら一般だけでも特定だけでも新規は9万円、大臣許可ならどちらでも15万円です。
金額が倍になるのは、一般と特定の両方を同時に申請する場合です。たとえば電気工事は特定、管工事は一般というように取得する場合、知事許可なら9万円+9万円で18万円になります。

申請区分の使い分け

  • 新規……現在どの許可も受けていない状態で申請する場合
  • 許可換え新規……知事許可から大臣許可へ、または大臣許可から知事許可へ、許可行政庁が変わる場合。営業所を他県に増やしたときなどに該当します
  • 般・特新規……一般の許可を受けている者が特定を申請する場合、またはその逆
  • 業種追加……すでに受けている許可と同じ区分で、別の業種を追加する場合
  • 更新……有効期間(5年)の満了に伴う更新

複数の区分を同時に行う場合は、それぞれの手数料を合算します。たとえば知事許可で更新と業種追加を同時に行う場合は5万円+5万円で10万円です。

なお、更新と業種追加を別々の時期に行うと手数料も別々にかかります。業種を増やす予定があるなら、更新のタイミングに合わせるという選択もあります。

手数料は不許可でも返還されません

申請手数料・登録免許税は、審査の結果にかかわらず返還されません。要件を満たしているかどうかを確認せずに申請すると、手数料が無駄になるということです。特に経営面の要件や専任技術者の実務経験は、証明資料が揃うかどうかで結論が変わります。申請前の確認がそのまま費用の節約につながります。

3.手数料以外にかかる費用

法定手数料のほかに、添付書類の取得費用がかかります。1点あたりは数百円ですが、役員の人数や証明の方法によって枚数が変わります。

書類 内容
登記事項証明書 法人の場合。法務局で取得
身分証明書 本籍地の市区町村で取得。役員全員分が必要
登記されていないことの証明書 法務局で取得。役員全員分が必要
納税証明書 都道府県税事務所等で取得
住民票 常勤役員等・専任技術者などの分
残高証明書 財産的基礎を資金調達能力で示す場合。金融機関で取得

役員が多い法人ほど、書類の取得に手間と費用がかかります。身分証明書は本籍地の市区町村でしか取れないため、遠方が本籍の役員がいると郵送請求が必要になり、日数もかかります。

そのほか、専任技術者の実務経験を証明する場合は、過去の契約書や注文書の写しを揃える必要があります。これらは費用というより時間のコストですが、実際にはここが全体の期間を左右します。

4.行政書士に依頼した場合の費用

行政書士に依頼する場合は、上記の法定手数料・実費に加えて報酬がかかります。報酬額は事務所によって異なり、案件の難易度によっても変わります。難易度を左右するのは、主に次の点です。

  • 経営面の要件を何で証明するか……自社の履歴で足りるか、前職の資料が必要か
  • 専任技術者を何で証明するか……国家資格があるか、実務経験10年の証明が必要か
  • 申請する業種の数、一般と特定の同時申請の有無
  • 知事許可か大臣許可か

実務経験で証明する案件は、契約書や注文書を年単位で確認する作業が発生するため、資格で証明できる案件より工数がかかります。当事務所では、初回相談の段階で要件を確認したうえでお見積りを提示しています。金額は報酬額一覧をご確認ください。

自分で申請すれば報酬はかかりません。ただし、要件の判断を誤って不許可になった場合、手数料は返還されません。証明資料が揃うかどうかの見通しが立たない段階では、先に確認だけでも受けておくほうが結果的に安く済むことがあります。

5.よくある質問

Q. 特定建設業許可のほうが手数料は高いのですか?

変わりません。手数料を決めているのは一般か特定かではなく、知事許可か大臣許可かです。知事許可なら一般だけでも特定だけでも新規は9万円、大臣許可ならどちらでも15万円(登録免許税)です。金額が倍になるのは、一般と特定の両方を同時に申請する場合です。

Q. 業種をたくさん取ると手数料は増えますか?

同じ申請区分で同時に申請する限り、業種の数によって手数料は変わりません。新規申請で1業種でも5業種でも、知事許可なら9万円です。後から業種追加をすると別途5万円かかるため、取得の見込みがある業種は最初にまとめて申請するほうが有利です。ただし業種ごとに専任技術者の要件を満たす必要があります。

Q. 更新の手数料はいくらですか?

知事許可・大臣許可とも5万円です。有効期間は5年で、満了日の30日前までに申請する必要があります。決算変更届を提出していないと更新を受け付けてもらえないため、毎年の届出を怠らないようご注意ください。更新を忘れて失効すると、新規申請からやり直しになります。

Q. 不許可になった場合、手数料は返ってきますか?

返還されません。審査の結果にかかわらず納付が必要です。だからこそ、申請前に要件を満たしているかを確認しておくことが費用の面でも重要になります。

Q. 営業所を他県に増やすときは、どの申請になりますか?

知事許可から大臣許可への「許可換え新規」にあたります。手数料は新規と同額(大臣許可なので15万円)です。更新ではなく新規扱いになる点にご注意ください。

費用の見通しからご相談ください

建設業許可の費用は、法定手数料だけを見れば知事許可の新規で9万円です。しかし実際の負担を決めるのは、要件を証明できるかどうかそこにかかる時間です。要件を満たしていないまま申請すれば、手数料は戻りません。

行政書士潮海事務所では、初回相談40分無料で、要件の確認とお見積りをご提示しています。「取れるかどうかを先に知りたい」という段階でも構いません。京都府内はもちろん、オンラインでのご相談にも対応しています。

許可の要件については建設業許可の要件と手続きの流れ、法人設立と同時にお考えの場合は建設業の会社設立をあわせてご覧ください。

※他の許認可については許認可申請サポートの一覧をご確認ください。

本記事は2026年9月12日時点の建設業法および関係政令・登録免許税法に基づき作成しています。手数料・金額基準は改正されることがあるため、申請時には許可行政庁の最新の手引きをご確認ください。

建設業許可申請を承る行政書士潮海事務所

事業所名 行政書士潮海事務所
代表者 行政書士 潮海 俊吾(京都府行政書士会・登録番号19272132号)
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