2026年10月9日更新/第16次公募要領・公式サイト・ミラサポplusで確認
事業承継・M&A補助金 第16次公募の要件・金額と採択後の実務
第16次公募は2026年10月2日に申請受付が始まり、締切は11月6日(金)17:00です。事業承継促進枠の補助上限は800万円、賃上げを表明すれば1,000万円です。この枠は承継の前に申請し、申請者は原則として現経営者になります。4つの枠の金額、申請書類、そして採択後の交付申請で求められる書類を、公募要領と当事務所の受任案件の様式をもとにまとめました。
11/617:00
第16次の申請締切
1,000万円
事業承継促進枠の上限(賃上げ表明時)
61.3%
第15次の採択率(551件中338件)
出典:事業承継・M&A補助金 事業承継促進枠 公募要領(16次・Ver.1.0)/公式サイト「15次公募の採択者を決定」(2026年9月11日)
この記事の要点(2026年10月9日時点)
- 第16次は申請受付中。締切は2026年11月6日(金)17:00。申請はjGrantsで行い、GビズIDプライムが必要。
- 事業承継促進枠は補助率2/3または1/2、下限100万円、上限800万円。公募申請時に賃上げを表明すれば1,000万円、廃業費を併用すれば300万円が上乗せされる。
- 事業承継促進枠は承継が終わる前に申請する枠で、申請者は原則として現経営者。代表者の交代だけでなく、株式などの所有権の移転も必要。
- 採択率は第11次から第15次まで60.7〜61.3%で推移。第15次は551件中338件。
- 採択で決まるのは交付額の上限。公募申請時に書いた交付予定額を、交付申請で増やすことはできない。
1. 制度の概要
事業承継・M&A補助金は、中小企業・小規模事業者が事業承継やM&Aを行うときの費用の一部を国が補助する制度です。中小企業生産性革命推進事業の一つで、実施主体は中小企業庁です。
以前の名称は「事業承継・引継ぎ補助金」でした。当時の創業支援型(Ⅰ型)・経営者交代型(Ⅱ型)・M&A型(Ⅲ型)という区分は、現在の制度にはありません。旧制度の解説を読んで準備すると、申請者、承継のタイミング、要件を取り違えます。
予算年度と実施年度は別です。この事業は令和7年度補正予算によるもので、実施は令和8年度から令和9年度にまたがります(公式サイトのURLにも「r7h」が入っています)。他制度との併給の判定や交付規程を確認するときは、予算年度で照合してください。
2. 第16次のスケジュールと第15次の結果
第16次公募のスケジュール
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 公募要領 | Ver.1.0(2026年9月4日に情報開示) |
| 申請受付開始 | 2026年10月2日(金) |
| 応募締切 | 2026年11月6日(金)17:00(時間厳守) |
| 公募説明会 | 2026年10月9日(金)14:00〜(申込は10月7日17:00で締切) |
| 採択発表 | 2026年12月下旬以降、順次(予定) |
| 交付申請の受付 | 2027年1月上旬〜11月中旬(予定) |
| 交付決定 | 2027年1月下旬以降、順次(予定) |
| 補助事業の実施 | 交付決定日〜2028年3月中旬(予定)。要領本文は「2027年1月下旬から14か月以内」を想定 |
| 実績報告 | 2027年6月上旬〜2028年3月下旬(予定) |
| 補助金の交付 | 2027年10月上旬以降(予定) |
出典:事業承継・M&A補助金 公式サイト、事業承継促進枠 公募要領(16次・Ver.1.0)
申請から入金まで1年近くかかります。補助金は精算払いのため、設備の代金はいったん全額を自社で支払います。承継の時期と資金繰りを並べて計画してください。
第15次公募の結果
- 締切は2026年7月24日、採択決定の通知は9月11日でした(締切から約7週間)。
- 申請551件に対して338件が採択されました(採択率約61.3%)。枠別の件数は第4章に載せています。
- 第15次の交付申請の受付は2027年7月23日まで、約10か月半あります。ただし交付決定前の発注は補助対象外なので、交付申請が遅いほど事業を実施できる期間が短くなります。
事業承継対象期間
事業承継促進枠の事業承継対象期間は、公募申請の期日から5年後までです。第16次では2026年11月6日から2031年11月5日までです。この期間に計画どおり承継できなかった場合は、補助金の返還について判定を受けます。
3. 4つの枠と各枠の上限額
事業承継促進枠
親族内承継や社内承継をこれから行う中小企業・小規模事業者が対象です。承継を機に行う経営革新(設備投資・販路開拓など)の費用を補助します。公募申請の時点で承継が終わっていないことが前提で、補助対象者は原則として被承継者(現経営者)です。個人事業主の場合は、被承継者と承継予定者の共同申請になります。この記事の第4章・第5章は、この枠を中心に書いています。
専門家活用枠
M&Aで経営資源を譲り受ける(買い手)・譲り渡す(売り手)中小企業が、FA・M&A仲介業者などの専門家に支払う費用を補助します。申請件数が最も多い枠で、第15次は551件中312件でした。第16次では、小規模事業者等に限った「小規模売り手支援類型」(補助率2/3・上限450万円)も設けられています。
PMI推進枠
M&A後の経営統合(PMI)に取り組む事業者が対象です。専門家に支払う費用を補助する専門家活用類型と、統合のための設備投資などを補助する事業統合投資類型があります。
廃業・再チャレンジ枠
事業承継やM&Aに伴って不採算事業を廃業する場合や、M&Aが成立せず新しい事業に挑戦する場合の費用を補助します。事業承継促進枠と併用する場合、別の申請は要らず、補助上限が300万円上乗せされます(補助率は事業費に従います)。
各枠の補助率と上限(第16次)
| 枠・類型 | 補助率 | 補助上限 |
|---|---|---|
| 事業承継促進枠 | 2/3・1/2 | 800万円(賃上げ表明で1,000万円) |
| 専門家活用枠 買い手支援類型 | 1/3・1/2・2/3 | 600〜800万円(DD費用で200万円加算、100億企業要件で2,000万円) |
| 専門家活用枠 売り手支援類型 | 1/2・2/3 | 600〜800万円(DD費用で200万円加算) |
| 専門家活用枠 小規模売り手支援類型 | 2/3 | 450万円 |
| PMI推進枠 専門家活用類型 | 1/2 | 150万円 |
| PMI推進枠 事業統合投資類型 | 1/2・2/3 | 800〜1,000万円 |
| 廃業・再チャレンジ枠 | 2/3(併用時は各事業の補助率) | 300万円(併用時は150万円または300万円) |
出典:ミラサポplus「事業承継・M&A補助金(十六次公募)の公募要領を公表」(2026年9月4日公表・9月8日更新)。専門家活用枠・PMI推進枠の要件の判定基準は各枠の公募要領で確認してください。
併願のルール:同じ公募回で、事業承継促進枠と専門家活用枠・PMI推進枠を両方申請することはできません。併用できるのは廃業・再チャレンジ枠だけです。
対象外になりやすい形
| 形 | 理由 |
|---|---|
| 代表者の交代だけで所有権が動かない | 経営権と所有権の両方の移転が必要。旧制度の経営者交代型と同じ形は対象外 |
| グループ内の再編 | 実質的な承継と評価されない |
| 物品・不動産を持っているだけの事業の承継 | 事業の承継とみなされない |
| フランチャイズ契約・実質的なフランチャイズ | 事業譲渡に当たらない |
| のれん分け | 同上 |
| 休眠会社・実態のない会社 | 事業の実態が前提 |
| 設立間もない法人の代表者交代 | 法人は3期分の決算・申告の完了が必要 |
4. 事業承継促進枠の金額・経費・申請書類
補助率と上限(第16次公募要領)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 小規模事業者等(製造業その他20人以下/商業・サービス業5人以下/宿泊業・娯楽業20人以下)は2/3、それ以外は1/2 |
| 補助下限額 | 100万円(経費×補助率が100万円未満だと交付申請を受け付けない) |
| 補助上限額 | 800万円。賃上げを表明した場合は1,000万円(800万円を超える部分の補助率は1/2) |
| 廃業費の併用 | +300万円(補助率は事業費に従う) |
| 生産性向上要件 | 5年計画で、付加価値額または1人当たり付加価値額の伸び率が年平均3%以上 |
上限まで使うのに必要な経費
| 到達したい補助額 | 補助率2/3の場合 | 補助率1/2の場合 |
|---|---|---|
| 下限の100万円 | 経費150万円 | 経費200万円 |
| 上限の800万円 | 経費1,200万円 | 経費1,600万円 |
| 賃上げ表明時の1,000万円 | 経費1,600万円 | 経費2,000万円 |
当事務所の試算です(公募要領の表ではありません)。補助率2/3の場合、800万円までは経費1,200万円で届きます。800万円を超える部分は補助率1/2なので、残りの200万円には経費400万円が要り、合計1,600万円です。
上限を1,000万円にすると、未達の場合に最大200万円を返還します。
上限を1,000万円にするには、基準年度(補助事業の完了日を含む事業年度)と比べて翌年度の1人当たり給与支給総額を3%以上増やすことを、公募申請時までに全従業員等へ表明し、誓約書と表明書を出します。公募申請時に表明しなかった場合、後から賃上げしても上限は800万円のままです。表明して未達だった場合や賃金水準を維持できなかった場合は、引き上げ分(最大200万円)の返還を求められます。加点項目の賃上げは年平均2%以上で、上限引き上げの3%とは水準が違います。
採択率の推移
| 公募回 | 採択発表 | 申請 | 採択 | 採択率 |
|---|---|---|---|---|
| 第11次 | 2025年7月11日 | 590件 | 359件 | 60.8% |
| 第12次 | 2025年10月27日 | 742件 | 453件 | 61.1% |
| 第13次 | 2026年1月15日 | 481件 | 293件 | 60.9% |
| 第14次 | 2026年5月15日 | 512件 | 311件 | 60.7% |
| 第15次 | 2026年9月11日 | 551件 | 338件 | 61.3% |
件数は公式サイトのお知らせ(各回の採択者決定)の公表値。採択率は当事務所が計算しました(小数第2位を四捨五入)。全枠の合計です。
第15次は枠別の件数も公表されています。
| 第15次の枠 | 申請 | 採択 | 採択率 |
|---|---|---|---|
| 事業承継促進枠 | 190件 | 115件 | 60.5% |
| 専門家活用枠 | 312件 | 194件 | 62.2% |
| PMI推進枠 | 47件 | 28件 | 59.6% |
| 廃業・再チャレンジ枠 | 2件 | 1件 | 50.0% |
| 合計 | 551件 | 338件 | 61.3% |
5回とも60.7〜61.3%の範囲に収まっていて、枠別でも主要3枠は59.6〜62.2%です。廃業・再チャレンジ枠は申請が2件で、率を比べる材料になりません。
主な対象経費と金額のしばり
- 設備費:品目1件20万円(税抜)以上のみ計上できる。50万円(税抜)以上は処分制限財産になり、事業完了後も一定期間は自由に処分できない
- 委託費:事業費合計(税抜)の1/2が上限
- 産業財産権等関連経費:事業費合計(税抜)の1/3が上限
- 旅費(宿泊):地域区分ごとの上限あり。京都市は甲地方で1泊10,900円(税抜)
対象外の代表例は、汎用のパソコン・タブレット・スマートフォン・カメラ、中古品、不動産の購入、自動車の購入(リース・レンタルは可)、ウェブサイト制作・システム開発、広告費(媒体を問わない)、求人広告、研修費、売上原価・製造原価に当たるもの、被承継者に払う譲受費用です。
支払方法は2つだけです。補助事業者名義の事業用口座からの銀行振込か、クレジットカードの1回払いです。現金、手形・小切手、電子マネー(PayPay・Suicaなど)、暗号資産は認められません。承継の前後で口座の名義が変わることがあるため、どの口座から払うかは発注前に決めてください。
相見積のルール
1件(案件・発注)あたり50万円以上(税抜)の場合は2者以上から見積を取り、最低価格の者を選びます。外注費・委託費は50万円未満でも原則として相見積が必要です。相見積が要らないのは、①2者以上から見積の作成を断られた書面がある、②国内で選定先以外が提供できない(独占販売権・特許・許認可による)、の2つの場合だけです。
加点項目
加点は13種類です。
- 中小会計要領・中小会計指針の適用
- 経営力向上計画・経営革新計画・先端設備等導入計画
- 地域おこし協力隊
- 地域未来牽引企業
- 健康経営優良法人
- サイバーセキュリティお助け隊
- (連携)事業継続力強化計画
- アトツギ甲子園(地方予選を含む)
- えるぼし・くるみんなど
- 賃上げ年平均2%以上
- 成長加速マッチングサービスで挑戦課題が掲載中であること
- 事業承継・引継ぎ支援センターまたは中小機構の支援を受けた事業承継計画書
- 米国の追加関税の影響
減点は、過去18か月以内に中小企業庁所管の補助金で賃上げ加点の要件を満たさなかった場合です。
申請書類
| 書類 | 注意点 |
|---|---|
| 公募申請書(別紙) | 指定様式 |
| 認定経営革新等支援機関の確認書 | 公募要領が「締切直前に依頼しても間に合わない場合がある」と注意している |
| 事業承継計画表 | 計画書骨子・実施体制図・HD承継様式を同じファイルに入れる |
| 事業承継実施に係る誓約書 | 指定様式 |
| 決算書 | 法人は直近3期分。個人は確定申告書Bと青色申告決算書を各3期分 |
| 法人事業概況説明書 | 補助率2/3を希望する場合に直近期分を添付(個人は青色申告決算書) |
公式サイトには、jGrantsの申請フォーム項目定義書と必要書類チェックリストが2026年9月25日に公開されています。入力項目を事前に確認できます。
申請の手続き
- 申請は電子申請システム「jGrants」で行う
- 事前にGビズIDプライムのアカウントを取得する
- 申請書類の作成を委任する場合は、行政書士証票の写しと、委任の範囲を書いた委任契約書を提出する
申請書類の作成を頼める相手:官公署に出す書類の作成を、報酬を得て業として行えるのは行政書士(または行政書士法人)です。これは行政書士法第19条第1項にもともとあった業務制限規定で、令和7年法律第65号によって趣旨が明確化されました。補助金だけを対象にした新しい規制ではなく、官公署に出す書類全般が対象です。公募要領にも、行政書士以外の者が有償で作成した場合は行政書士法違反になる可能性と、交付決定が取り消される可能性が書かれています。なお、その委任の費用は委託費の対象外で、補助金ではまかなえません。
問い合わせ先(枠別の事務局)
- 受付時間:9:30〜12:00、13:00〜17:00(土日祝を除く)
- 事業承継促進枠:050-3192-6274
- 専門家活用枠/廃業・再チャレンジ枠:050-3145-3812
- PMI推進枠:050-3192-6228
連絡先は公募回によって変わることがあります。最新は公式サイトで確認してください。
5. 採択後の交付申請で求められること
この章は、当事務所が第15次で受任している案件の採択決定通知書、交付申請の様式、見積依頼書の様式をもとにまとめました。いずれも公募要領には書かれておらず、交付申請の様式を開いて分かる内容です。案件固有の情報は含めていません。
交付申請額は増やせない
交付申請書(別紙)の算式は、公募申請時の交付予定額、補助対象経費×補助率、上限額の3つのうち最も小さい額を取る作りになっています。公募申請時に書いた交付予定額が上限で、交付申請でそれを超える額は入力できません。公募の段階で経費を控えめに書き、採択後に見積を取り直して積み増しても、増やした分は補助されません。
委託費が事業費全体の1/2を、産業財産権等関連経費が1/3を超えると、超えた分は様式上で自動的に切られます。その結果、交付申請額が100万円を下回ると警告が出て、受け付けられません。
補助率と上限は2つの質問で決まる
jGrantsの交付申請フォーム(様式第1)では、小規模事業者等に当たるかと、賃上げを実施するかの2問に答えます。この組み合わせで4つのパターンが自動的に決まります。
| 小規模事業者等 | 賃上げ | 補助上限 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| 該当する | 実施する | 1,000万円 | 800万円まで2/3、超える分は1/2 |
| 該当する | 実施しない | 800万円 | 2/3 |
| 該当しない | 実施する | 1,000万円 | 1/2 |
| 該当しない | 実施しない | 800万円 | 1/2 |
経費コードと自動採番
経費にはコードが割り当てられています。A設備費/B産業財産権等関連経費/C謝金/D旅費/E外注費/F委託費/G廃業支援費/H在庫廃棄費/I解体費/J原状回復費/Kリース解約費/L移転・移設費用/O土壌汚染調査費です。
経費No.は「コード+連番」で、明細の行の並び順に自動で振られます。証憑のファイル名にもこの番号を使うため、後から行を入れ替えると、証憑のファイル名を全部付け直すことになります。証憑を集める前に経費の並び順を確定させてください。交付申請番号は「LJS」+4桁の形で採択決定通知書に書かれ、提出ファイル名の先頭に付けます。
経費1件ごとに必要な書類
交付申請では、経費1件につき見積依頼書・見積書・選定理由・相見積書・補足証憑のセットを出します。見積依頼書は指定様式で、依頼業務の概要、想定業務依頼期間、依頼業務の詳細、想定成果物、端数処理の明記依頼を書きます。相見積先にも同じ様式で依頼を出す作りなので、電話やメールで価格だけを聞いた相見積では、見積依頼書が欠けて書類が揃いません。
選定理由の選択肢が事業費と廃業費で違う
| 事業費の選定理由 | 廃業費の選定理由 |
|---|---|
| ①最低金額である ②2者以上に見積の作成を断られた ③国内で選定先以外が提供できない ④その他(備考に理由を書く) | ①最低金額である ②2者以上に見積の作成を断られた ③国内で選定先以外が提供できない (④その他はない) |
廃業費では、技術的な理由で特定の業者を指名したいときに、その理由を書く欄が様式にありません。解体や原状回復で特定の業者に頼む必要がある場合は、その業者が最低金額になるよう相見積を組むか、②③に当たるかを事前に確認してください。
廃業費の費目別明細書には「契約書(現行締結済)」の列があります。原状回復費なら賃貸借契約書、リース解約費ならリース契約書の提出が前提です。契約書が見当たらない場合や口頭の合意しかない場合は、その経費を計上できない可能性があります。
提出形式の条件
- 交付申請書(別紙)は、パスワードをかけずExcel形式のまま出す。PDFにすると受け付けられない
- 入力は左の列から順に行う。入力不備の赤いセルが残ると次の列に進めず、交付申請が受け付けられない
- jGrantsの交付申請フォームでも、行政書士証票の写しと委任契約書等の写しを出す。公募申請で出していても、フォームごとに改めて求められる
- 担当者氏名の欄に入れられるのは補助事業者本人か法人の従業員で、代理人の氏名は入れられない
この章の出典:第15次の採択決定通知書、jGrants交付申請フォーム(様式第1)、交付申請書(別紙)様式、見積依頼書様式(当事務所の受任案件で2026年9月11日に確認)。見積依頼書様式の表題が「令和8年度補正 事業承継・M&A補助金」となっており、第15次・第16次の予算年度(令和7年度補正)と一致しません。誤記か別事業の様式の流用かを事務局に確認中のため、断定していません。
6. よくある質問
事業承継・引継ぎ補助金と事業承継・M&A補助金は別の制度ですか?
同じ系統の制度が再編されたものです。以前の創業支援型・経営者交代型・M&A型という区分は現在ありません。今は事業承継促進枠・専門家活用枠・PMI推進枠・廃業・再チャレンジ枠に分かれ、要件も申請者も変わっています。
補助金を申請するのは、後継者ではなく現経営者ですか?
事業承継促進枠では原則としてそうです。この枠は承継が終わる前に申請するため、補助対象者は被承継者(現経営者)です。個人事業主の場合は、承継予定者がまだ開業しておらず中小企業者等に当たらないため、被承継者と承継予定者の共同申請になります。
補助上限を1,000万円にするにはどうすればよいですか?
基準年度と比べて翌年度の1人当たり給与支給総額を3%以上増やすことを、公募申請時までに全従業員等へ表明し、誓約書と表明書を出します。公募申請時に表明しなかった場合、後から賃上げしても上限は800万円のままです。未達の場合は引き上げ分(最大200万円)の返還を求められます。
第16次公募の締切はいつですか?
2026年11月6日(金)17:00です。申請受付は10月2日に始まっています。採択発表は12月下旬以降、順次の予定です。認定経営革新等支援機関の確認書は時間がかかるため、早めに依頼してください。
採択されれば、申請した金額をそのまま受け取れますか?
受け取れるとは限りません。交付申請額は、公募申請時の交付予定額、補助対象経費×補助率、上限額のうち最も小さい額になります。採択後に経費を積み増して増額することはできません。採択で決まるのは交付額の上限です。
交付決定の前に発注してもよいですか?
交付決定前の契約・発注・納品・支払いは補助対象外です。交付決定までの間に、GビズIDプライムの取得、認定経営革新等支援機関への相談、計画書と見積の準備を進めてください。補助金は精算払いのため、つなぎの資金も用意しておきます。
申請書類の作成は誰に頼めますか?
官公署に出す書類の作成を報酬を得て業として行えるのは、行政書士(または行政書士法人)です。行政書士法第19条第1項にもともとある業務制限規定で、令和7年法律第65号により趣旨が明確化されました。委任する場合は行政書士証票の写しと委任契約書を提出します。その委任の費用は委託費の対象外です。
採択率はどのくらいですか?
第11次から第15次まで、全枠合計で60.7〜61.3%です。第15次は551件中338件(61.3%)で、枠別では事業承継促進枠190件中115件(60.5%)、専門家活用枠312件中194件(62.2%)、PMI推進枠47件中28件(59.6%)、廃業・再チャレンジ枠2件中1件でした。
7. まとめと申請前に揃えるもの
- 旧「事業承継・引継ぎ補助金」の3類型は現在ない。枠は事業承継促進・専門家活用・PMI推進・廃業・再チャレンジの4つ
- 事業承継促進枠は補助率2/3または1/2、下限100万円、上限800万円(賃上げ表明で1,000万円)、廃業費併用で+300万円
- 申請は承継の前で、申請者は原則として現経営者。所有権の移転まで必要
- 締切は2026年11月6日(金)17:00
- 採択率は5回連続で約61%
- 採択後に交付額は増やせない
公募申請の前に、設備の見積(相見積を含む)、廃業費に計上する賃貸借契約書やリース契約書、直近3期分の決算書を揃えてください。認定経営革新等支援機関への確認書の依頼は、締切の1か月前までに済ませるのが目安です。
あわせて読む:2026年度の補助金総合ガイド
承継の形が要件に当てはまるかからご相談ください
株主構成、代表者の任期、決算の期数が分かれば、事業承継促進枠の要件に当てはまるかを早い段階で判定できます。公募申請に加えて、採択後の交付申請と実績報告も別のご契約で対応しています。LINE・電話・オンライン(Zoom)で相談でき、初回40分は無料です。
主な出典(最終確認 2026年10月9日):事業承継・M&A補助金 事業承継促進枠 公募要領(16次・Ver.1.0)/事業承継・M&A補助金 公式サイトのお知らせ(第11次〜第15次の採択者決定、第16次の受付開始・説明会)/ミラサポplus「事業承継・M&A補助金(十六次公募)の公募要領を公表」(2026年9月8日更新)/当事務所が受任している第15次案件の交付申請関係書類。第15次の公募要領との新旧対照は行っていないため、「第16次で変わった点」という書き方はしていません。締切・要件は公募回によって変わるため、申請の前に最新の公募要領を確認してください。
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