新事業進出補助金は終了?後継「新事業進出枠」との違いを解説

新事業進出補助金は終了しました

第4回(2026年6月19日締切)が最終回です。
後継は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の新事業進出枠。旧制度との違いを解説します。

第4回で終了

2026年6月19日18:00

9,000万円

後継枠の補助上限

10/30

後継制度 第1回の締切

行政書士 潮海俊吾
執筆・監修:行政書士 潮海 俊吾
京都府行政書士会(登録番号19272132号)
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※採択率は、当事務所が申請を支援し採択結果が判明している案件を分母とした自社集計値です。
【結論】中小企業新事業進出補助金は、第4回公募(2026年6月19日18:00締切)をもって新規の応募受付を終了しました。廃止されて何もなくなったわけではなく、ものづくり補助金とともに「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」へ再編され、既存事業と異なる新市場への進出を支援する役割は「新事業進出枠」が引き継いでいます。いま申し込めるのは同制度の第1回公募(申請受付2026年9月30日〜10月30日18:00)です。ただし補助上限・賃上げ要件・付加価値額要件が変わっているため、旧制度の事業計画をそのまま出し直すことはできません。

30秒でわかる:終了と後継の関係

・中小企業新事業進出補助金は第1回〜第4回で終了。第4回は2026年3月27日公募開始・5月19日申請受付開始・6月19日18:00締切でした。
・第4回の採択発表は2026年9月頃の予定です(本記事作成時点で未公表)。
・後継は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の新事業進出枠。第1回は申請受付9月30日〜10月30日18:00締切、採択発表は2027年1月頃の見込みです。
・補助上限は旧制度の2,500万〜9,000万円から、新制度では2,500万〜7,000万円(賃上げ特例で最大9,000万円)に変わりました。
・1人当たり給与支給総額の要件は年平均2.5%以上から3.5%以上へ、付加価値額は年平均3.0%以上から4.0%以上へ引き上げられています。
第4回で採択された事業者は、新制度の第1回に申請できません(締切日を起点に16か月以内の採択が対象外)。不採択だった方は申請できます。
・旧制度の採択率は第1回37.2%、第2回35.4%、第3回34.9%と推移しました。

本記事の内容
新事業進出補助金はいつ終了したのか

後継は「新事業進出枠」。旧制度から何が変わったか

第4回に申請した方へ:採択発表とその後

4回分の採択実績

これから申請する方へ:新制度 第1回のスケジュール

よくある質問

まとめ

1. 新事業進出補助金はいつ終了したのか

中小企業新事業進出補助金は、2025年に創設された比較的新しい制度でした。既存事業と異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援するもので、建物費が補助対象になる点が事業者にとって大きな魅力でした。

その公募は第4回で終了しています。各回のスケジュールは次のとおりです。

公募回申請受付締切採択発表
第1回2025年6月17日〜2025年7月2025年10月1日
第2回2025年秋〜2025年11月2026年2月頃
第3回2026年2月17日〜2026年3月26日2026年7月頃
第4回(最終回)2026年5月19日〜2026年6月19日 18:002026年9月頃(予定)

※第4回の公募開始は2026年3月27日、申請受付開始は5月19日、応募締切は6月19日18時でした。採択発表の時期は本記事作成時点(2026年8月19日)で予定として案内されているもので、確定情報は公式サイトでご確認ください。

「終了」の意味を取り違えないでください。制度そのものが廃止されて支援がなくなったのではなく、ものづくり補助金と一体化して新しい制度に再編されました。新市場への進出を支援するという役割は、後継制度の「新事業進出枠」にそのまま引き継がれています。ただし要件と金額は変わっています。

2. 後継は「新事業進出枠」。旧制度から何が変わったか

2026年に新設された「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」は、ものづくり補助金と新事業進出補助金の役割を引き継ぎ、3つの枠に再編した制度です。

① 革新的新製品・サービス枠

旧・ものづくり補助金にあたる枠です。革新的な新製品・新サービスの「開発」を支援します。

② 新事業進出枠

旧・新事業進出補助金にあたる枠です。既存事業と異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援します。建物費が補助対象になる点も引き継がれています。

③ グローバル枠

輸出に向けた国内製造拠点の強化を支援します。旧・ものづくり補助金のグローバル枠にあたります。

旧・新事業進出補助金と新事業進出枠の比較

項目旧・新事業進出補助金新事業進出枠
補助上限2,500万〜7,000万円
(賃上げ特例で最大9,000万円)
2,500万〜7,000万円
(賃上げ特例で最大9,000万円)
補助率1/2(最低賃金引上げ特例で2/3)1/2(最低賃金引上げ特例で2/3)
付加価値額年平均3.0%以上年平均4.0%以上
1人当たり給与支給総額年平均2.5%以上年平均3.5%以上
事業場内最低賃金地域別最低賃金+30円地域別最低賃金+30円
建物費対象対象
創業年数創業1年未満は対象外

※補助上限は従業員数の区分によって異なります。数値は新制度 第1回公募要領(1.2版・2026年8月14日改訂)および旧制度の公募要領に基づく整理です。最新値は各公募要領をご確認ください。

要件が2つとも引き上げられています。付加価値額は年平均3.0%以上から4.0%以上へ、1人当たり給与支給総額は年平均2.5%以上から3.5%以上へ。旧制度で作った数値計画をそのまま流用することはできません。特に給与支給総額の1ポイント差は、従業員数が多いほど負担が重くなります。

新事業進出枠には「1期分の決算書」が必要です

新制度では、創業から1年未満の事業者は新事業進出枠の対象外とされています。決算を1期も終えていない事業者は、この枠では申請できません。創業間もない段階で新市場への進出を計画している場合は、まず決算を1期確定させる必要があります。

関連記事 新市場・高付加価値事業の考え方|新事業進出枠と「革新性」の違い 新事業進出枠と革新的新製品・サービス枠のどちらで申請すべきか。判定軸と、審査で求められる客観データの示し方を解説しています。

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3. 第4回に申請した方へ:採択発表とその後

第4回に申請した方は、2026年9月頃に予定されている採択発表を待つ段階です。結果が出てからの動きを先に押さえておくと、期限で慌てずに済みます。

採択された場合:交付申請は採択発表日から2か月以内

採択通知は交付決定ではありません。採択発表日から原則2か月以内に交付申請が必要で、期限を過ぎると採択が取り消されます。交付申請では事務局が経費を精査するため、申請額から減額されることもあります。また、交付決定日より前に発注・契約した経費は補助対象外です。

事業実施期間は「交付決定日から14か月以内」かつ「採択発表日から16か月以内」

起点が2つある点に注意してください。交付申請が遅れると、交付決定日から14か月あるはずの期間が、採択発表日起算の16か月という上限に押さえられて実質的に短くなります。交付申請を早く済ませるほど、事業に使える時間が長くなります。

採択後は5年間の事業化状況報告が必要

補助金を受け取って終わりではありません。事業化状況報告が5年間続きます。あわせて、賃上げ要件が未達の場合は補助金の返還を求められることがあります。具体的には、補助事業終了後の3〜5年間で1人当たり給与支給総額の年平均成長率が2.5%以上に達しなかった場合などです。

第4回で採択された方は、新制度の第1回に申請できません。新制度は「申請締切日を起点に16か月以内に、事業再構築・新事業進出・ものづくり・本補助金で採択された事業者」を対象外としています。第4回の採択発表が2026年9月頃、新制度 第1回の締切が10月30日ですから、この規定に該当します。一方、不採択だった場合はこの規定に当たらないため、第1回に申請できます。

不採択だった場合、締切まで約1か月しかありません

第4回の採択発表が9月頃、新制度 第1回の締切が10月30日18:00です。結果を見てから動き始めると、実質1か月で事業計画の作り直しと申請準備を終える必要があります。GビズIDプライムの取得(約1週間)と一般事業主行動計画の公表(1〜2週間)は、結果を待たずに進めておくのが安全です。どちらも遅れによる締切延長は認められません。

4. 4回分の採択実績

旧・新事業進出補助金の採択率は、公表されている第1回〜第3回で30%台後半から30%台半ばへ推移しました。

公募回応募件数採択件数採択率
第1回3,006件1,118件37.2%
第2回2,350件832件35.4%
第3回1,212件423件34.9%
第4回採択発表は2026年9月頃の予定

※採択率は公表件数からの計算値です。第3回の採択423件のうち176者が関税加点の対象でした。

応募件数が3,006件から1,212件へ減る一方で、採択率は37.2%から34.9%へ低下しました。応募が減れば通りやすくなる、という関係はこの3回の実績では確認できません。後継制度の第1回についても、応募が少なければ有利になると考えるのは避けたほうがよいでしょう。

業種による差

公表資料から読み取れる範囲では、製造業の採択率が比較的高く、第1回で51.9%、第3回で44.6%でした。第3回の建設業は38.9%、第1回の宿泊業・飲食サービス業は24.4%です。ただしこれは旧制度の実績であり、要件が変わった後継制度で同じ傾向が続くとは限りません。

関連記事 中小企業新事業進出補助金|第3回までの採択結果と第4回の流れ 旧制度の補助額・要件・採択データを詳しく解説しています。第4回に申請済みの方はこちらもご覧ください。

5. これから申請する方へ:新制度 第1回のスケジュール

新市場への進出をこれから計画する場合、申請先は後継制度の第1回公募になります。

項目内容
制度名新事業進出・ものづくり商業サービス補助金
該当する枠新事業進出枠
公募開始2026年6月29日
申請受付開始2026年9月30日
応募締切2026年10月30日(金)18:00 厳守
採択発表2027年1月頃(見込み)
公募要領1.2版(2026年8月14日改訂)が最新

※申請受付開始は当初8月31日、締切は9月30日でしたが、2026年7月17日付で1か月後ろ倒しに変更されました。

締切まで残り時間は多くありません

締切は10月30日ですが、実際には次の準備が先に必要です。いずれも申請直前に着手して間に合うものではありません。

  • GビズIDプライム:発行に約1週間
  • 一般事業主行動計画の公表:1〜2週間(審査で不備が出ることもあるため2週間以上の余裕を推奨)
  • 加点に使う認定:経営革新計画、事業継続力強化計画、DX認定など。取得に数か月かかるものがあり、締切日時点で満たしている必要があります
  • 相見積:契約先1件あたりの見積額合計が50万円(税抜)以上なら3者以上が必要
  • 決算書3期分:3期分を提出できない場合は今期までをすべて添付します
詳細記事 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金【2026年第1回】 3枠の選び方、補助額・補助率、加点17項目、必要書類、申請の流れまで、公募要領1.2版に基づいて解説しています。

6. よくある質問

Q. 新事業進出補助金はもう申請できないのですか?

できません。第4回公募(2026年6月19日18:00締切)で新規の応募受付は終了しました。ただし制度が廃止されたわけではなく、ものづくり補助金とともに「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」へ再編され、新市場への進出を支援する役割は「新事業進出枠」が引き継いでいます。現在申し込めるのは同制度の第1回公募(申請受付2026年9月30日〜10月30日18:00)です。

Q. 後継制度で何が変わりましたか?

要件が2つ引き上げられました。付加価値額は年平均3.0%以上から4.0%以上へ、1人当たり給与支給総額は年平均2.5%以上から3.5%以上へ変更されています。補助上限(2,500万〜7,000万円、賃上げ特例で最大9,000万円)と補助率、建物費が対象になる点は引き継がれました。また、新事業進出枠では創業1年未満の事業者が対象外となっています。

Q. 第4回で採択されました。後継制度にも申請できますか?

できません。後継制度は「申請締切日を起点に16か月以内に、事業再構築・新事業進出・ものづくり・本補助金で採択された事業者」を対象外としています。第4回の採択発表は2026年9月頃、後継制度 第1回の締切は10月30日であるため、この規定に該当します。

Q. 第4回で不採択でした。再挑戦できますか?

できます。不採択の場合は「採択された事業者」に該当しないため、後継制度の第1回に申請できます。ただし、応募申請日を起点に過去3年間で事業再構築・新事業進出・ものづくりの交付決定を合計2回以上受けている場合は対象外、1回の場合は減点となります。また要件が引き上げられているため、数値計画は作り直しが必要です。

Q. 第4回の採択発表はいつですか?

2026年9月頃が予定されています(本記事作成時点で未公表)。採択された場合は採択発表日から原則2か月以内に交付申請が必要で、期限を過ぎると採択が取り消されます。事業実施期間は交付決定日から14か月以内、かつ採択発表日から16か月以内です。

Q. 旧制度の採択率はどのくらいでしたか?

第1回は応募3,006件・採択1,118件で37.2%、第2回は2,350件・832件で35.4%、第3回は1,212件・423件で34.9%でした。応募件数が減る一方で採択率も低下しており、応募が減れば通りやすくなるという関係はこの3回の実績では確認できません。第4回の結果は9月頃に公表される予定です。

Q. ものづくり補助金はどうなりましたか?

ものづくり補助金も第23次(2026年5月8日締切・8月7日採択発表)が最終回で、第24次の単独公募は実施されません。新事業進出補助金と同じく「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」へ再編され、革新的な新製品・新サービス開発は「革新的新製品・サービス枠」が受け皿になっています。

7. まとめ

・中小企業新事業進出補助金は第4回(2026年6月19日18:00締切)で終了
・後継は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の新事業進出枠
・補助上限(最大9,000万円)と建物費が対象になる点は引き継がれた
付加価値額3.0%→4.0%、給与支給総額2.5%→3.5%と要件は引き上げられた
・新事業進出枠は創業1年未満の事業者が対象外
・第4回の採択者は16か月ルールにより後継制度の第1回に申請できない。不採択者は申請可能
・後継制度 第1回は申請受付9月30日〜締切10月30日18:00。GビズIDと行動計画の公表は結果を待たずに着手する

本記事は、旧・中小企業新事業進出補助金の公募要領および公表された採択結果、後継制度である新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回公募要領(1.2版・2026年8月14日改訂)に基づいて作成しています(最終確認日:2026年8月19日)。採択率は公表件数からの計算値です。第4回の採択発表時期は予定として案内されているもので、確定情報は公式サイトでご確認ください。

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