オンラインテイクアウトシステム構築
京都市内で創業10年超の和食居酒屋が、コロナ禍において店頭・電話テイクアウトの実績を活かし、新たにオンライン受注・決済機能を持つテイクアウトシステムを構築。料理人歴数十年のベテランによる、新規販路の確立と対人接触機会の減少を両立した事例です。
100万円
採択額
B2C
ターゲット
京都
所在地
本記事の内容
・ 案件概要
・ ご相談いただいた背景と課題
・ 立ち上げた取組
・ 採択につながった3つの要素
・ 担当者コメント
・ 想定される事業効果
・ 当事務所の支援内容
・ 関連する補助制度
・ よくあるご質問
・ ご相談のご案内
1. 案件概要
京都市内で創業10年超の和食居酒屋が、小規模事業者持続化補助金で採択を受けた案件です。コロナ禍における夜営業の時短・自粛による売上構造の崩壊に対応するため、店頭・電話テイクアウトの既存実績を活かし、オンライン受注・決済機能を持つテイクアウトシステム(ECサイト・オーダーメイドオードブル機能・事前予約・課金決済・クーポン発行)を新規構築しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | 飲食業(和食居酒屋/鮮魚を活かした和食提供) |
| 所在地 | 京都市内 |
| 業歴・規模 | 創業10年超/料理人歴数十年のベテラン在籍/売上1,000万円規模 |
| 補助金 | 小規模事業者持続化補助金(2021年度/低感染リスク型ビジネス枠・補助率3/4) |
| 採択額 | 100万円 |
| 主たる投資内容 | ECサイト構築・オーダーメイドオードブル注文機能・事前予約/課金決済システム・クーポン発行機能・ポスティング用チラシ |
2. ご相談いただいた背景と課題
本案件の事業者は、京都市内の主要観光エリアに立地する和食居酒屋です。料理人歴数十年のベテランが、産地直送の鮮魚を活かした造り・煮物・揚げ物等の和食を提供しており、観光客と地元の個人顧客の双方から支持を得てきました。
コロナ禍において緊急事態宣言・時短営業要請が継続したことで、夜営業を主力とする同店の売上は前年比で大幅に減少。電話によるテイクアウトには既に対応していましたが、対応できる注文件数に限界があり、また「お店でしか食べられない味を自宅でも食べたい」という常連顧客からの要望に十分応えられていない状況が続いていました。
直面していた3つの課題
課題① 夜営業中心の売上構造の脆弱化
緊急事態宣言・まん延防止等重点措置による時短営業や営業自粛により、夜営業を主力とする同店の売上は前年比で大幅減少。コロナ禍に適応した業態の確立が急務となっていました。
課題② 既存テイクアウト(店頭・電話)のキャパシティ上限
電話による注文受付・店頭引渡しのテイクアウトには対応していたものの、注文受付に対人対応が必要なため処理可能件数に上限があり、また顧客側も「注文・確認・受取」の都度連絡が必要で利便性に課題がありました。販路としての成長余地が頭打ちでした。
課題③ オンラインEC機能を持つ周辺競合の不在=差別化機会
周辺エリアで居酒屋を運営しながらオンラインテイクアウトを実施している事業者はゼロ。市場調査の結果、「プロの料理人が作る和食をオンラインで注文・受取できる」という選択肢が周辺に存在せず、差別化機会が明確に存在することが分かりました。
3. 立ち上げた取組
上記の課題に対し、本補助事業でオンライン受注・決済機能を持つテイクアウトシステムを新規構築し、対人接触機会の減少と新規販路の確立を両立する計画を策定しました。
具体的な投資内容
- ECサイトの新規構築(弁当・オードブル・鍋セット等のオンライン販売基盤)
- オーダーメイドオードブル注文機能(顧客が料理を選んでカスタムオードブルを発注可能)
- 事前予約システム/課金決済システム/クーポン発行システムの実装
- SNS(Facebook・Instagram)による新規サービスの告知
- ポスティング用チラシの制作・配布(店舗から半径5km圏内、QRコードで誘導)
4. 採択につながった3つの要素
① 既存ノウハウ(料理人歴・テイクアウト実績)と新規システムの組み合わせ
料理人歴数十年のノウハウ、コロナ禍で蓄積したテイクアウト販売実績、市場からの仕入れルートという既存資源を、新規オンラインシステムと組み合わせて活用する論理構造を示しました。「既存資源があるからこそ即座に実需化できる」蓋然性が明確でした。
② 競合不在の市場ポジションの定量的な提示
周辺エリアの居酒屋8店舗のうち、テイクアウト実施が1店舗のみ、オンラインEC機能を持つ事業者は0件という市場調査結果を明示。「差別化機会が明確に存在する」ことを定量で裏付けました。
③ 対人接触機会減少の取組として整合的
本案件は持続化補助金の中でも対人接触機会の減少を要件とする枠での採択と推測されますが、オンライン受注・決済の導入は「店舗対面型からオンライン受発注型への業態転換」として、枠の趣旨に直接的に合致しています。
5. 担当者コメント
「飲食店のオンライン化」を販路開拓として論証
飲食店のオンラインテイクアウト導入は、単なるIT導入ではなく「営業時間・営業形態の制約を受けないBtoC販路の新規確立」として論証することが採点上重要です。本案件では「夜営業中心の売上構造 → オンライン受発注による時間制約からの解放 → 新規販路の確立」という事業構造の連鎖を明示できたことが、採択につながったと考えています。
低感染リスク型ビジネス枠の位置づけ(参考)
本案件は2021年度に時限的に実施された「低感染リスク型ビジネス枠」(補助上限100万円・補助率3/4)での採択です。同枠は現在廃止されていますが、「対人接触機会の減少を伴う取組を販路開拓として論証する」という申請書設計の方法論は、現行の持続化補助金(通常枠・賃金引上げ枠等)でも応用可能です。
6. 想定される事業効果
本投資により、初年度からオンラインテイクアウトの新規売上 約300万円規模が見込まれる構成です。SNSでの認知拡大とポスティングによる初動集客を組み合わせ、2年目以降は年10%程度の成長を想定しています。
- オンラインテイクアウトの新規売上(初年度約300万円規模/2年目以降+10%/年)
- 対人接触機会の減少(電話対応・店頭受付の自動化)
- 営業時間外(深夜・早朝)の注文受付による販路の時間拡大
- オーダーメイドオードブル機能による単価向上余地
7. 当事務所の支援内容
事業構想のヒアリング、補助金の要件適合性整理、競合分析、申請書作成のサポート、商工会議所との連携支援、採択後の交付申請・実績報告まで一貫してご支援しました。飲食店のオンライン化案件は、「設備投資としてのEC構築」を「販路開拓としての業態転換」へと言語化する作業が採点上の鍵になります。
8. 関連する補助制度
本事例と同枠(低感染リスク型ビジネス枠)の他の採択事例
本案件と同じ「低感染リスク型ビジネス枠」での採択事例として、以下もご参照ください。いずれも「対人接触機会の減少」を要件としつつ、業種固有の事業構造に基づいて販路開拓として論証した事例です。
9. よくあるご質問
Q. 飲食店のECサイト構築・テイクアウトシステム導入は補助金の対象になりますか?
対象になり得ます。重要なのは「ECサイト構築」を単独の設備投資ではなく「販路開拓の手段」として論証することです。既存事業の延長線上にあるオンライン化であれば持続化補助金、より大規模なIT投資・業態転換を伴う場合はIT導入補助金や中小企業新事業進出補助金等が選択肢となります。
Q. コロナ特例枠(低感染リスク型ビジネス枠)は現在も使えますか?
本案件で採択された「対人接触機会の減少」を要件とするコロナ特例枠は、コロナ禍対応として時限的に設けられた枠であり、現在は実施されていません。ただし、現行の持続化補助金(通常枠・賃金引上げ枠等)でも、業務効率化や非対面化を含む販路開拓の取組は引き続き対象となり得ます。
Q. 既存の電話テイクアウトをオンライン化する程度の取組でも申請できますか?
取組単独で評価されるのではなく、その取組が事業構造としてどう変わるかが評価対象になります。「電話対応からオンライン受発注へ」というシステム面の変化を、「対応可能件数の拡大」「営業時間制約からの解放」「新規顧客層の取り込み」といった事業構造の変化として説明できれば、採択につながる構成になります。
10. ご相談のご案内
飲食店のオンライン化・販路開拓・業態転換等で補助金活用をご検討中の事業者様は、当事務所までお気軽にご相談ください。初回相談40分無料。京都の事務所での対面・オンライン(Zoom等)どちらにも対応しています。
- 対応範囲:補助金診断/要件適合性評価/申請書作成サポート/競合分析・KPI設計/採択後の実績報告
- 対応エリア:京都を中心に全国対応(オンライン相談可)
本事例のポイント
・補助金:小規模事業者持続化補助金(2021年度/低感染リスク型ビジネス枠・補助率3/4)
・採択額:100万円(2021年度・低感染リスク型ビジネス枠/補助率3/4)
・業種:和食居酒屋(B2C/京都市内)
・取組:オンラインテイクアウトシステムの新規構築(ECサイト・オーダーメイドオードブル・事前予約・課金決済・クーポン発行)
・採択ポイント:料理人ノウハウ × 既存テイクアウト実績 × 競合不在の市場ポジション × 対人接触機会減少
本記事は実際の支援案件をベースとしていますが、事業者特定を避けるため、業種詳細・業歴の細部・地域・金額の細部・時期等を抽象化・改変しています。
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