非対面EMSの導入と運動不足解消サービス開発
京都市内の整骨院が、患者自身が操作可能なリモコン付きEMS(電気的筋肉刺激機器)を導入。完全予約制・個室化と組み合わせ、コロナ禍における運動不足解消ニーズに応える完全非対面サービスを構築。保険診療依存の構造を改善した事例です。
100万円
採択額
B2C
ターゲット
京都
所在地
本記事の内容
・ 案件概要
・ ご相談いただいた背景と課題
・ 立ち上げた取組
・ 採択につながった3つの要素
・ 担当者コメント
・ 想定される事業効果
・ 当事務所の支援内容
・ 関連する補助制度
・ よくあるご質問
・ ご相談のご案内
1. 案件概要
京都市内の柔道整復師による整骨院が、小規模事業者持続化補助金で採択を受けた案件です。コロナ禍における対面業務の制約と、運動不足解消ニーズの拡大に対応するため、患者自身が操作可能なリモコン付きEMS機器(フィジオEMS8)を導入。完全予約制・個室化と組み合わせて、完全非対面での運動不足解消サービスを新たに構築しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | 柔道整復業(保険診療+自費診療) |
| 所在地 | 京都市内 |
| 業歴・規模 | 創業数年/少数精鋭体制/売上1,500万円規模(保険診療9割・自費診療1割) |
| 補助金 | 小規模事業者持続化補助金(2021年度/低感染リスク型ビジネス枠・補助率3/4) |
| 採択額 | 100万円 |
| 主たる投資内容 | リモコン付きEMS機器の導入・施術室の個室化(パーテーション設置)・広告チラシ/ポスティング |
2. ご相談いただいた背景と課題
本案件の事業者は、京都市内で柔道整復師による整骨院を運営しています。骨折・脱臼・打撲・捻挫等の急性外傷に対する手技療法に加え、筋力向上トレーニングや運動不足解消のためのストレッチ指導も行ってきました。事業構造は保険診療が売上の約9割、自費診療が約1割という保険診療依存の構造でした。
コロナ禍において、対面型サービスを前提とする整骨院は売上が前年比で約3割減少。同時に、社会全体で運動不足・「コロナ太り」解消ニーズが拡大する中、感染防止の観点から対面型のジム・トレーニング施設を避けたい層からの「非対面で運動不足を解消できる手段がほしい」という潜在ニーズが顕在化していました。
直面していた3つの課題
課題① 保険診療9割依存の構造的脆弱性
売上の9割が保険診療であり、柔道整復業界全体として保険治療(療養費)は2015年以降縮小傾向にあるため、長期的に保険診療単独では事業の維持が困難な構造にありました。自費診療比率の引き上げが課題でした。
課題② コロナ禍での対面型ビジネスの売上減少
既存の保険診療・自費診療はいずれも対面型サービスのため、緊急事態宣言・外出自粛の影響を直接的に受け、前年同期比で売上が約27%減少。対面型ビジネス単独では収入回復の見込みが立たない状況でした。
課題③ 競合差別化の機会(リモコン付きEMS導入競合は0件)
京都市内でEMSを導入している整骨院は複数存在するものの、市場調査の結果「患者自身が操作できるリモコン付きEMS」を導入している競合は0件。非対面で運動不足解消を提供できる事業者がほぼ存在しないことが分かり、明確な差別化機会が存在していました。
3. 立ち上げた取組
上記の課題に対し、本補助事業で完全非対面でできるEMSを活用した運動不足解消サービスを新規開発する計画を策定しました。
具体的な投資内容
- リモコン付きEMS機器(フィジオEMS8等)の導入
- 施術室の個室化(パーテーション設置・空気清浄機の設置)
- 完全予約制の運用体制の構築
- SNS(Facebook・Instagram)・チラシポスティングによる新サービスの告知
EMSの電力調整を患者自身がリモコンで行えるため、施術中スタッフが患者の傍にいる必要がなくなり、対人接触機会を構造的にゼロに近づけるサービス設計を実現しています。
4. 採択につながった3つの要素
① 既存事業の構造的課題と新サービスの整合性
「保険診療依存からの脱却」「対面型からの脱却」という既存事業の構造的課題に対する解決策として、本取組を明確に位置づけました。新サービスは思いつきの新規事業ではなく、既存課題への構造的対応である点が、投資判断の合理性を裏付けました。
② 競合差別化の定量的な明示
京都市内のEMS導入整骨院38件のうちリモコン付きEMSの導入競合は0件という競合調査結果を申請書で明示。差別化機会が定量で裏付けられたことが、市場性評価につながりました。
③ 対人接触機会減少を構造的に実現
「リモコンによる患者自身の操作」「個室化」「完全予約制」の3要素を組み合わせることで、対人接触機会を構造的にゼロに近づけるサービス設計を実現。低感染リスク型ビジネス枠(と推測される)の趣旨に直接合致する取組であることを明示できました。
5. 担当者コメント
医療系事業者の保険診療依存からの構造改善
整骨院・接骨院・鍼灸院等の医療系事業者は、保険診療への依存が高い構造を抱えているケースが多く、自費診療への構造シフトが業界全体の課題となっています。本案件のように、「コロナ対応」と「保険診療依存からの構造改善」を一つの取組で同時に達成する設計は、補助金活用の好例であり、業界共通の課題に対する一つの示唆になると考えています。
低感染リスク型ビジネス枠の位置づけ(参考)
本案件は2021年度に時限的に実施された「低感染リスク型ビジネス枠」(補助上限100万円・補助率3/4)での採択です。同枠は現在廃止されていますが、「対人接触機会の減少を伴う取組を販路開拓として論証する」という申請書設計の方法論は、現行の持続化補助金(通常枠・賃金引上げ枠等)でも応用可能です。
6. 想定される事業効果
本投資により、初年度からEMS関連の新規売上 約180万円規模が見込まれる構成です。自費診療比率を1割から1.2割程度へ引き上げ、保険診療依存の構造を段階的に改善していく方針です。
- EMS関連の新規売上(初年度約180万円規模/2年目以降+10%/年)
- 自費診療比率の段階的向上(10% → 12%程度)
- 対人接触機会の構造的削減(リモコン操作・個室化・完全予約制の三層)
- スタッフの業務効率改善(EMS操作時間の削減)
7. 当事務所の支援内容
事業構想のヒアリング、補助金の要件適合性整理、競合分析(市内EMS導入事業者の調査)、申請書作成のサポート、商工会議所との連携支援、採択後の交付申請・実績報告まで一貫してご支援しました。医療系事業の補助金申請は、「保険診療と自費診療の構造」「医療広告規制」等、業界特有の論点が絡むため、専門的な視点での申請書設計が重要になります。
8. 関連する補助制度
本事例と同枠(低感染リスク型ビジネス枠)の他の採択事例
本案件と同じ「低感染リスク型ビジネス枠」での採択事例として、以下もご参照ください。いずれも「対人接触機会の減少」を要件としつつ、業種固有の事業構造に基づいて販路開拓として論証した事例です。
9. よくあるご質問
Q. 整骨院・接骨院・鍼灸院でも補助金は活用できますか?
活用できます。ただし、医療系事業者の補助金申請は保険診療と自費診療の構造、医療広告規制等の業界特有の論点が絡むため、申請書の設計には注意が必要です。当事務所では医療系事業者の補助金支援実績があり、業界特有の事情を踏まえた申請書作成をサポートします。
Q. EMSやその他の医療系機器の導入は補助金の対象になりますか?
機器の導入そのものではなく、その機器を使った新サービスの提供による販路開拓として論証することが採点上重要です。本案件のように「リモコン付きEMSによる非対面サービスの提供」という事業構造の変化として位置づけられれば、補助金活用は十分可能です。
Q. 保険診療依存からの脱却・自費診療への構造シフトはどう論証すればよいですか?
業界統計(柔道整復・鍼灸・マッサージ市場の縮小傾向等)と自院の売上構成を組み合わせ、「構造的な業界トレンドへの戦略的対応」として論証することが効果的です。単なる新規事業ではなく、業界課題への必然的な対応として位置づけることで、投資判断の合理性が裏付けられます。
10. ご相談のご案内
整骨院・接骨院・鍼灸院・治療院等の医療系事業者で、補助金活用や保険診療依存からの構造改善をご検討中の事業者様は、当事務所までお気軽にご相談ください。初回相談40分無料。京都の事務所での対面・オンライン(Zoom等)どちらにも対応しています。
- 対応範囲:補助金診断/要件適合性評価/申請書作成サポート/競合分析・KPI設計/採択後の実績報告
- 対応エリア:京都を中心に全国対応(オンライン相談可)
本事例のポイント
・補助金:小規模事業者持続化補助金(2021年度/低感染リスク型ビジネス枠・補助率3/4)
・採択額:100万円(2021年度・低感染リスク型ビジネス枠/補助率3/4)
・業種:整骨院(B2C/京都市内)
・取組:リモコン付きEMS導入+個室化+完全予約制による完全非対面サービス開発
・採択ポイント:保険診療依存の構造改善 × 競合差別化(リモコン付きEMSは0件) × 対人接触機会の構造的削減
本記事は実際の支援案件をベースとしていますが、事業者特定を避けるため、業種詳細・業歴の細部・地域・金額の細部・時期等を抽象化・改変しています。
整骨院・接骨院・治療院での補助金活用をご検討中ですか?
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