機器費と工事費の3分の1、最大200万円。京都市内に事業所を持つ中小事業者と自治会等が対象です。
公募資料に書かれていない運用上の論点は、2026年9月時点で事務局に照会した回答としてまとめました。
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機器費・工事費の補助率
200万円
補助上限額
先着順
予算上限で受付終了
1社1回
申請できる回数
出典:京都市中小事業者の省エネリノベーション支援事業補助金「申請の手引き 第1版」「よくある御質問」「交付申請 入力・記載例 第1版」/最終確認日 2026年9月4日
結論から書きます。この補助金には、事業計画の内容を比較して採否を決める審査がありません。要件に適合しているかを申請順に確認し、書類が揃った事業者から順番に採択されます。
したがって力を入れるべきは、計画の巧拙ではありません。要件を満たしていることを書類で示せているか、そして交付決定を待ってから発注できるか。この2点で結果が決まります。
ところが実務では、公募資料を読んでも判断がつかない場面が次々に出てきます。設置位置を動かしてよいのか。蛍光灯をLEDダウンライトに変えてよいのか。共用部は対象か。足場代や現場管理費は入るのか。手引きにも「よくある御質問」にも、答えは書かれていません。
この記事では、公募資料で確認できる事実をまとめたうえで、当事務所が実際に案件を進めるにあたって事務局に電話照会した回答を、公表資料とは分けて掲載します。
この記事の内容 お急ぎの方は、第4章「事務局に確認した論点」と第8章「落ちやすい6つのポイント」だけでも実務に使えます。
- 制度の概要と、いくら戻ってくるのか補助率・上限額・下限60万円の意味・審査がない構造
- 誰が申請できるのか資本金・従業員基準、医療法人・自治会等、対象外のケース
- 対象になる設備と要件空調2014年以前/照明は器具ごと/給湯・冷凍冷蔵
- 公募資料に書かれていない論点を事務局に確認しました設置位置・ダウンライト化・共用部・足場代・諸経費
- 補助対象になる費用・ならない費用撤去処分費は対象/申請代行費は対象外/全額返還のリスク
- 申請の流れと日程6ステップ、着手30日以内、実績報告は早く終わるほど早い
- 交付申請と実績報告で必要な書類13の添付枠、見積書6つのチェック項目、5年間の報告義務
- 実務で落ちやすい6つのポイント交付決定前の発注・相見積・製造年の立証・宛名と有効期限
- まとめ
- よくあるご質問
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1. 制度の概要と、いくら戻ってくるのか
正式名称は「京都市中小事業者の省エネリノベーション支援事業補助金(令和8年度7月補正予算事業)」です。市内の中小事業者等の光熱費負担を軽減するとともに、CO2排出量の削減を進めることを目的として、省エネ設備への更新費用の一部を補助します。物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用した事業です。
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| 補助率 | 補助対象経費の合計額の3分の1(1,000円未満の端数は切捨て) |
|---|---|
| 補助金額 | 上限200万円/下限20万円 |
| 補助対象経費 | 消費税相当額を除いた、補助対象事業に係る機器費・工事費 |
| 申請受付期間 | 令和8年8月28日(金)~令和9年3月31日(水)/郵送の場合は3月31日必着 |
| 受付方式 | 先着順。申請総額が予算上限に達した時点で受付終了 |
| 申請回数 | 同一の補助対象者が複数回申請することはできません。複数の事業所等がある場合も1回の申請にまとめます |
| 申請方法 | 原則オンライン(電子申請フォーム)。難しい場合はメール・郵送・FAX・窓口持参も可 |
下限20万円が意味すること
補助率が3分の1で下限が20万円ですから、補助対象経費が税抜60万円に満たないと、そもそも申請できません。逆に上限200万円に届くのは補助対象経費が税抜600万円のときで、それを超える分に補助金は付きません。
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| 補助対象経費(税抜) | 補助金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 60万円 | 20万円 | これ未満は申請不可 |
| 150万円 | 50万円 | |
| 300万円 | 100万円 | |
| 600万円 | 200万円 | 上限に到達 |
| 800万円 | 200万円 | 超過分に補助はありません |
審査による優劣はありません
要件に適合しているかの審査を申請順に行い、修正が完了した事業者等から順番に採択されます。ここでいう「申請」とは書類の不足等がない状態を指し、申請書を提出した順番ではない点に注意が必要です。
この章のポイント
補助率は3分の1、上限200万円、下限20万円。下限があるため税抜60万円以上の工事が必要で、上限に届くのは税抜600万円です。採否を決める審査はなく、要件充足を書類で示せるかどうかがすべてです。
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2. 誰が申請できるのか
京都市内において、既に事業活動を営んでいる既築の工場・事業場・店舗・宿泊施設・医療機関・福祉施設・教育機関等を有する中小企業者等、または市内に集会所を有する自治会等が対象です。あわせて、交付決定を受けた年度から起算して5年間、「エネルギー消費量等報告書」を提出することを確約できることが必要です。
中小企業者の資本金・従業員基準
資本金基準・従業員基準のいずれか一方を満たせば対象になります。常時使用する従業員には事業主・法人の役員・臨時の従業員は含みませんが、パート・アルバイトは含みます。
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| 主たる業種 | 資本金の額または出資の総額 | 常時使用する従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業その他(卸売業、小売業、サービス業を除く) | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5千万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5千万円以下 | 50人以下 |
| ゴム製品製造業(自動車・航空機用タイヤ及びチューブ製造業、工業用ベルト製造業を除く) | 3億円以下 | 900人以下 |
| ソフトウェア業または情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 旅館業 | 5千万円以下 | 200人以下 |
中小企業者以外にも枠があります
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| 有限責任事業組合 | 有限責任事業組合契約に関する法律第2条に規定するもの |
|---|---|
| 医療法人 | 常時使用する従業員数300人以下 |
| 社会福祉法人 | 常時使用する従業員数100人以下 |
| その他 | 常時使用する従業員数100人以下の学校法人、NPO法人、一般社団法人、宗教法人など(京都市長が適当と認める事業者) |
| 自治会等 | 市内に集会所を有する自治会、町内会その他の住民が組織する団体。名称が「自治会」「町内会」である必要はありません |
自治会等については団体のみを対象とし、その構成員は対象としません。老人クラブやスポーツクラブなど特定の目的で活動する団体、政治活動や宗教活動を目的とする団体、マンションの管理組合も自治会等には含まれません。
この章のポイント
資本金基準と従業員基準はいずれか一方を満たせば足ります。医療法人300人以下、社会福祉法人・学校法人・NPO法人等は100人以下。自治会等も対象ですが、管理組合や特定目的の団体は含まれません。住宅部分は共用部を含めて対象外です。
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3. 対象になる設備と要件
補助対象事業は、補助対象者が有する京都市内の事業所等(既存建築物)において、次の設備を導入する事業です。新築・新設の事業所に導入する設備は対象になりません。
空調設備
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| 既存機器 | 製造年が2014年以前であること |
|---|---|
| 導入機器 | 製造年が2025年以降であること |
| 対象外 | 電気式空調機からガス式空調機への更新(CO2排出量増のおそれがあるため)/チラー・吸収式冷温水発生機/換気扇・局所排気装置・全熱交換器 |
ガス式空調機からガス式空調機への更新は対象です。換気機能付きエアコンは空調設備に該当するため、要件を満たせば対象になります。
照明機器
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| 既存機器 | 非LED照明器具であること |
|---|---|
| 導入機器 | LED照明器具であること |
| 対象外 | 電球・電灯のみの交換/バイパス工事/LED照明からLED照明への更新 |
照明器具ごと更新した場合のみ補助の対象になります。既存の蛍光灯器具を残したままランプだけをLEDに差し替える方式は対象外です。
給湯設備
導入機器の製造年が2025年以降で、かつ燃料転換(電化、または重油からガスなどCO2削減に資するものに限る)となるものが対象です。ガス焚ボイラーからエコキュートへの更新や、重油焚ボイラーからガス焚ボイラーへの更新は対象になりますが、電気式給湯器やエコキュートからエコキュートへの更新は燃料転換を伴わないため対象外です。
冷凍冷蔵設備
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| 業務用の電気冷蔵庫・電気冷凍庫 | 既存機器の製造年が2015年以前 |
|---|---|
| 冷蔵・冷凍ショーケース | 既存機器の製造年が2019年以前 |
| 導入機器 | 資源エネルギー庁「省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)」における指定設備であること |
指定設備として登録されていない設備は、省エネ型であっても対象外とされています。家庭用冷蔵庫も対象になりません。指定設備の一覧は環境共創イニシアチブのサイトおよび本事業のホームページで確認できます。
全設備に共通する要件
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| 新品であること | 更新後の機器等はすべて新品。中古設備は対象外 |
|---|---|
| 商用化されていること | 未商用化の設備は対象外 |
| 所有権 | 補助申請者に所有権があるもの。リース・レンタルは対象外 |
| 他の補助金 | 国、京都府など他の公的補助金との同一設備における併用は不可 |
| 既存設備の撤去 | 既存設備の残置は不可。運用しないことが判然とせず増設扱いとなるため、確実に撤去します |
この章のポイント
空調は既存2014年以前・導入2025年以降。照明は非LED器具からLED器具への交換で、ランプのみの交換とバイパス工事は対象外です。空調・給湯・冷凍冷蔵は製造年の根拠資料がないと要件不充足で落ちます。既存設備の残置も不可です。
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4. 公募資料に書かれていない論点を事務局に確認しました
ここからが実務の要点です。申請の手引きとよくある御質問には、現場で必ずぶつかる論点がいくつも書かれていません。当事務所で実際に案件を進めるにあたり、2026年9月時点で補助金事務局に電話で照会した内容を掲載します。
設置位置が既存と変わってもよいか
既存機器の取り換えであり、同じ部屋の範囲内であれば設置位置が変わっても対象。部屋の外へ移すと対象外になる、との回答でした。
あわせて、既存の室外機が屋上にある場合に、冷媒配管の更新にともなって導入する室外機を各階のバルコニーへ移す計画についても、問題ないとの回答を得ています。ただし実績報告時には更新前後を比較できるように撮影するよう求められました。
天井埋込形エアコンの入れ替えでは、配管や躯体の都合で数十センチずれることがよくあります。この点が確認できたことで、施工上の自由度がかなり広がります。
蛍光灯ベースライトをLEDダウンライトに変えてよいか
対象になるとの回答でした。ただし条件が3つ示されています。
ひとつは範囲が同じ部屋であること。ふたつめは消費電力が減っていること。みっつめは、台数が変わる場合は理由書が必要ということです。
台数の数え方についても確認しました。蛍光灯2本のセットであれば1台としてカウントする、との回答です。補助の対象になるのは、照明機器と付け替え工事である旨も示されました。
ベースライト1台をダウンライト複数台に置き換えると台数は増えますが、その場合は理由書で説明することになります。機器表には既存・新規それぞれの消費電力(W/台)と台数を記入しますので、総消費電力が減っていることは書類上で示せます。器具本体の消費電力を記載する点にご注意ください。ランプの消費電力ではありません。
シャンデリア型や吊り下げ型の器具は対象か
シャンデリア型でも、一体の更新であれば対象になるとの回答でした。
あわせて、電球の交換単体は不可であり、あくまでも一体の交換が条件である旨が繰り返し示されています。
意匠性の高い器具を選んでも、LED一体型であれば形状は問われないという整理になります。逆に、器具は従来のままでLED電球を入れただけのものは、「電球の交換」と評価される可能性が高いということです。
誘導灯・非常用照明、共用部の照明はどうか
誘導灯・非常用照明も対象。
また、住宅部分を含まない事業用ビルの共用部(階段室・廊下・エントランス等)の照明についても対象との回答を得ています。
屋外の照明については、建物に付くもの、または建物の付随物であれば対象、建物から離れて地面から立ち上がるものは対象外との整理が示されました。
ビル1棟を所有している事業者の場合、自社が使うフロアだけを見ていると、共用部という大きな対象範囲を取りこぼします。テナント区画については、器具の所有権が申請者にあることが前提になります。
足場代・現場管理費・諸経費は補助対象経費になるか
取付工事に足場が必要な場合の足場代は工事費用として対象。
現場管理費・施工管理費も工事費として対象。
一方で「諸経費」は対象外で、対象にするならどのような経費かを明示して振り分ける必要がある、との回答でした。
工事見積では「諸経費一式」とまとめられることが多い費目です。中身が産業廃棄物処分費や養生清掃費、法定福利費であれば対象になり得ますが、図面作成費や保守契約費が含まれていれば対象外です。見積の段階で内訳を出させておくのが確実です。
天井の開口拡大や天井裏の加工は対象か
導入する機器の寸法が既存と異なるために天井の開口拡大や天井裏の加工が必要になる場合、当該工事は対象との回答でした。
「過剰な設備」の線引きについて
申請の手引きは補助対象外経費として「過剰な設備、予備用の設備」を挙げていますが、その判断基準を照会したところ、具体的には回答できない、一般常識の範囲との回答でした。
明確な数値基準は示されないということです。実務上は、機器表で更新前後の定格能力と消費電力が並びますので、既存機器から著しくかけ離れた能力の機器を選ばないこと、そして総消費電力が減っていることを書類で示せるようにしておくことが、現実的な備えになります。
この章のポイント
同じ部屋の中なら設置位置の変更は可、室外機の屋上からバルコニーへの移設も可。蛍光灯ベースライトからLEDダウンライトへの変更は、消費電力が減ることと台数変更時の理由書を条件に対象。誘導灯・非常用照明・事業用ビルの共用部照明も対象です。足場代と現場管理費は工事費として対象、諸経費は内訳の明示が必要という整理でした。
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5. 補助対象になる費用・ならない費用
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| 補助対象経費 | 補助対象外経費 |
|---|---|
|
・新たに導入する設備 ・設備設置等にあたり必要な建築物の躯体に関する工事費 ・既存設備(断熱材含む)の解体、撤去、移設、処分に係る費用 ・産業廃棄物及び廃材の処分費 ・養生清掃費 ・補助対象設備を設置(使用)するために必要となる電源工事(ブレーカーの更新等) ・法定福利費 |
・消耗品のみの購入 ・公租公課(消費税等)、官公署に支払う手数料等、振込手数料等 ・過剰な設備、予備用の設備 ・土地・建物の取得、賃貸、管理等に要する費用 ・本事業と直接関係のない工事に要した費用(設計費用等) ・設備導入後の燃料費その他のランニング費用 ・レンタル/リースの設備 ・企画設計、FS調査、ポテンシャル調査等 ・電力会社や所轄行政機関等への申請/届出/登録に係る費用 ・商用化されていない設備や中古設備 ・保守契約費/メンテナンス費 ・本補助金の申請手続に係る費用(申請手続の委託費や手数料) ・図面作成費 |
機器更新時にやむを得ず補修等が必要な範囲に限り、クロス等を修復する経費も対象になります。一方で、建物の建設工事に係る基礎工事部分については対象外とされています。
この章のポイント
機器代だけでなく、撤去処分費・産廃処分費・養生清掃費・電源工事・法定福利費も対象経費です。一方で保守契約費、図面作成費、そして本補助金の申請代行費は対象外。対象外の工事を混ぜると、対象設備分を含めた全額返還になります。
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6. 申請の流れと日程
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| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1 契約先の選定 | 原則、同条件で2者以上の見積書を取得し、補助対象経費がより安い見積書を提示した事業者を契約先の候補として選定します。この時点では選定にとどめ、発注や契約締結はしません |
| 2 交付申請書の提出 | 原則、電子申請フォームから申請。書類の不足等がないことを事務局が確認した時点で受け付けたものとみなされます |
| 3 交付決定の通知 | 審査は必要書類がすべて揃った後に開始。通知は専用フォームにアップロードされ、その旨が電子メールで通知されます |
| 4 事業の実施 | 交付決定の日から30日以内に事業着手(契約締結または機器の発注)。工事の完了と工事代金の支払いは令和10年1月31日(月)まで |
| 5 実績報告 | 事業完了日(支払完了日)から起算して30日以内、または令和10年2月29日(火)のいずれか早い日まで。前年度分の「エネルギー消費量等報告書」もあわせて提出 |
| 6 補助金の交付 | 交付額決定通知の後、交付額決定日から起算して30日以内に指定口座へ振込 |
実績報告の期限は「早く終わるほど早くなる」
期限は「事業完了から30日以内」と「令和10年2月29日」のいずれか早い日です。支払いが令和9年12月に完了すれば、令和10年1月の時点で期限が来ます。「2月末まである」と思い込んでいると期限を過ぎます。
これは領収書の日付要件からも裏づけられます。支出を証する書類は、発行日が交付決定通知書の日付以降で、かつ実績報告日から遡って30日以内であることが求められています。
この章のポイント
見積は取るが発注しない、交付決定を待つ、決定から30日以内に着手する、という順序が絶対です。事業完了(支払完了)は令和10年1月31日まで。実績報告は完了から30日以内か令和10年2月29日の早いほうで、早く終わるほど期限も早く来ます。
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7. 交付申請と実績報告で必要な書類
交付申請時
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| 交付申請書(第1号様式) | オンライン申請の場合はフォーム入力そのもの |
|---|---|
| 事業所等の位置図 | 任意様式。周辺の主要な道路名や最寄駅名など、場所を特定しやすい目印を記載 |
| 平面図 | 任意様式。手書きでも可。階数・室用途・機器表番号を記載。照明のLED設置位置は全台数へ番号を記載(例:①-1、①-2、①-3) |
| 見積書 | 2者以上。詳細は後述 |
| 機器表 | 指定様式。ホームページからダウンロード(xlsx形式のみアップロード可) |
| カタログ等の写し | 導入前後が比較できるもの。該当箇所を赤枠で囲い、機器表番号を付して全機器分を1ファイルにまとめる |
| 着工前の写真 | 空調=型番・室内機本体・室外機本体/照明=型番・照明器具本体(全台数分)/給湯=型番・給湯機本体/冷凍冷蔵=型番・本体 |
| その他必要と認める書類 | 空調・給湯・冷凍冷蔵設備の製造年が分かる根拠資料 |
見積書の6つのチェック項目
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| 同条件で2者以上 | 選定しない方の事業者が作成したものを含む |
|---|---|
| 宛名 | 申請者名と一致していること。略称や旧商号は不可 |
| 発行日 | 交付申請前の日付が明記されていること |
| 有効期限 | 申請日が有効期限内であること |
| 区分 | 補助対象経費と補助対象外経費の別が分かること。補助対象設備ごとに項目を分け、それぞれの合計が分かること |
| 採用見積 | 補助対象経費の合計金額が相見積よりも安価であること |
比較は補助対象設備ごとに行われます。したがって空調はA社、照明はB社という分離発注も可能で、設備ごとに見積書を分けても構いません。
実績報告時
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| 実績報告書(第8号様式) | |
|---|---|
| 契約書の写し | 採用した見積書の内容と一致。発行日は交付決定通知書の日付以降で、交付決定日から30日以内 |
| 支出を証する書類 | 領収書等。発行日は交付決定通知書の日付以降で、実績報告日から遡って30日以内。但し書きは「空調設備更新費用一式」のように記載 |
| 完了後の写真 | 導入後の設置状況と製品型番。天井埋込形の銘板は工事中でないと撮影できないことがあるため要注意 |
| エネルギー消費量等報告書 | 前年度(前年4月~今年3月)分 |
| 補助金交付請求書(第10号様式) | |
| 通帳等の写し | 口座名義人(フリガナ)、金融機関名、店名、預金の種類、口座番号が分かるもの。ネットバンキングの画面でも可 |
| その他必要と認める書類 | 導入機器の製造年が分かる根拠資料 |
5年間の報告義務があります
交付決定を受けた年度から起算して5年間、「エネルギー消費量等報告書」を提出する義務があります。A4片面の簡易なもので、事業所で使用する電気やガスなどの使用量を報告します。採択年度分は実績報告時に申請フォームから提出しますが、翌年度以降は事業所の所在地に応じて北部または南部の環境共生センターへ直接提出します。
床面積1,000平方メートル以上の建築物の所有者等(準特定事業者)は、もともと毎年5月末までに提出する義務があるため、別途の提出は不要です。制度の詳細は京都市のエネルギー消費量等報告書制度のページで確認できます。
この章のポイント
添付は13枠。登記事項証明書・納税証明書・決算書は不要で、書類収集の負担は軽い制度です。一方、機器表はxlsx指定、見積は6つの形式要件があり、支払は振込か現金に限られます。交付決定年度から5年間の報告義務も残ります。
対象になるかどうかの判断でお困りではありませんか
既存機器の製造年、見積書の区分、対象範囲の切り分け。この3つで止まるケースがほとんどです。京都市内の事業者様であれば、現況をお聞きすればおおよその見込みをお伝えできます。LINE・お電話・オンライン(Zoom)でご相談いただけます(全国対応・初回40分無料)。
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8. 実務で落ちやすい6つのポイント
1.交付決定の通知が届く前に発注してしまう
この制度で最も多い失敗です。事業着手とは、相手方(設置工事業者やメーカー)との契約締結行為または機器等の発注行為を指します。機器を発注しただけでも事業着手に当たり、補助の対象外になります。工期や納期の都合で先に発注しておくことは認められていません。すでにLED化を実施済みの場合も申請できません。
2.着手が遅すぎても取り消される
交付決定の日から30日以内に事業着手が行われなかった場合、合理的な理由がある場合を除き交付決定が取り消されます。早すぎても遅すぎても不可という構造です。
3.相見積を形だけ揃えようとする
補助対象事業を遂行するために売買または請負契約を行う場合、契約先の選定を一般の競争に付す必要があります。同条件で2者以上から取得し、安い方を採用するというのが制度の建付けです。
相見積が安ければそちらを採用すればよく、その分だけ自己負担も減ります。細工をする実益はありません。提出はPDFや画像ファイルで行いますので、作成者情報は残ります。
4.既存機器の製造年を立証できない
根拠資料がない場合は要件を満たさず補助対象外とされています。銘板が判読不能な場合、設置年における一般的な機器と同等として申請する余地は残されていますが、その根拠資料の提出を求められることがあります。判読できるうちに撮影しておくのが確実です。
5.見積書の宛名と有効期限
宛名は申請者名と一致している必要があります。「株式会社」を「(株)」と略した見積、旧商号のままの見積は作り直しになります。
また、申請日が見積の有効期限内であることが要件です。発行から30日という有効期限の見積であれば、その間に申請を終える必要があります。さらに、実際に発注できるのは交付決定後ですから、発注時点では有効期限が切れている構造になります。業者に価格の据置きを確認しておくと安全です。
6.着工前の写真を撮り忘れる
工事が始まってからでは撮れません。写真の提出が不可能な場合は理由を記載し、実績報告時には必ず提出することとされていますが、既存機器は撤去済みですから撮りようがありません。見積のための現地調査の段階で、銘板を含めて撮影を済ませてください。
この章のポイント
最大の失敗は交付決定前の発注で、機器の発注だけでも全額対象外になります。着手は決定から30日以内。相見積は2者以上が必須で、既存機器の製造年は根拠資料がないと落ちます。見積の宛名と有効期限、そして着工前写真の撮り忘れにも注意してください。
まとめ
まとめ
整理します。
- 補助率3分の1、上限200万円、下限20万円。税抜60万円以上の工事が必要で、上限に届くのは税抜600万円
- 採否を決める審査はない。先着順で、予算がなくなった時点で終了する
- 空調は既存2014年以前・導入2025年以降。照明は器具ごとの交換のみ
- 製造年の根拠資料がないと、それだけで対象外になる
- 公募資料にない論点は事務局への照会で解ける。設置位置の変更、ダウンライト化、共用部照明、足場代はいずれも対象という回答だった
- 登記事項証明書も納税証明書も決算書も要らない。書類収集の負担は国の補助金より軽い
- 最大の失敗要因は交付決定前の発注。機器を発注しただけでも全額が対象外になる
計画の巧拙ではなく、要件を書類で示せるかと、発注の順序を守れるかで決まる制度です。
よくあるご質問
よくあるご質問
要件を満たしていれば必ず採択されますか。
賃借している事業所でも申請できますか。
エアコンと照明をまとめて申請できますか。
令和7年度の同じ事業で採択されましたが、今回も申請できますか。
交付決定後に工事費が増えました。補助金を増額できますか。
申請にかかる行政書士の報酬は補助対象になりますか。
補助金を受けた設備は自由に処分できますか。
領収書が発行されない場合はどうすればよいですか。
電子申請の途中で保存できますか。
この記事に書かれている事務局への照会内容は、公式見解として使えますか。
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本記事の内容は、京都市中小事業者の省エネリノベーション支援事業補助金(令和8年度7月補正予算事業)の「申請の手引き 第1版」「よくある御質問」「交付申請 入力・記載例 第1版」および事業チラシに基づきます。事務局ホームページ https://j-lppf2.jp/kyoto-chusho-eco/(株式会社JTB京都支店内/TEL 075-275-3056)。第4章は当事務所が2026年9月時点で事務局に電話照会して得た回答であり、公募資料に記載された内容ではありません。最終確認日:2026年9月4日。制度の内容は変更されることがあります。





