京都のオーバーツーリズム対策に使える補助金2026|面的整備事業・朝夜観光を行政書士が解説

京都のオーバーツーリズム対策に
使える補助金 2026

観光庁予算100億円の面的整備事業から、京都府独自の朝・夜観光推進事業まで。
京都の観光事業者・自治体・DMOが活用できる制度を整理します。

行政書士 潮海俊吾
執筆・監修:行政書士 潮海 俊吾
京都府行政書士会(登録番号19272132号)
補助金サポート実績 105社超 / 採択率73%
※採択率は、当事務所が申請支援し採択結果が判明している案件を基準に算出しています。
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【結論】京都のオーバーツーリズム対策で中心になる補助金は2つです。観光庁の面的受入環境整備促進事業地域一体型で補助上限2億円(補助率2/3)一般型で5,000万円(1/2)一般型であれば民間事業者も申請主体になれます(関係する地方公共団体との連携が必要)。京都府の朝・夜観光推進事業補助金上限300万円(1/2)で、観光事業者が直接申請できます。2026年度の観光庁予算では、当該事業に100億円が計上されています。

30秒でわかる:京都のオーバーツーリズム対策補助金

・観光庁の令和8年度予算に「オーバーツーリズムの未然防止・抑制をはじめとする観光地の受入環境整備の促進」として100億円を計上。
・面的受入環境整備促進事業=地域一体型2億円(2/3)/一般型5,000万円(1/2)
一般型は民間事業者等も申請主体になれる。ただし申請主体が地方公共団体以外の場合、関係する地方公共団体との連携(同意書の提出)が必須。
・2026年度の公募は一次(締切5月29日)・二次(締切7月17日)とも終了。三次公募の有無は観光庁の公募情報を要確認。
・京都府の朝・夜観光推進事業=継続型300万円・単発型100万円(いずれも1/2)。観光事業者が直接申請可能。
・京都市は手ぶら観光バス・分散誘導・観光モラル宣言などで国の補助金を活用中。
・交付決定前の発注は対象外。効果測定と住民合意形成のプロセスが重視される。
・国際観光旅客税は2026年7月1日出国分から1,000円→3,000円へ。増収分はオーバーツーリズム対策等に充当される見込み。

最終確認日:2026年8月24日
受付状況(2026年8月時点)
・面的受入環境整備促進事業:一次公募は2026年5月29日12:00、二次公募は2026年7月17日12:00でいずれも計画申請の受付を終了しています。一次公募の採択結果は2026年7月10日に公表されました。三次公募の有無は観光庁の公募情報ページでご確認ください。
・京都府 朝・夜観光推進事業:年度ごとに公募。最新の募集要項をご確認ください。
※公募回・締切・金額は変動します。申請時は観光庁および京都府・京都市の公募要領で最新情報をご確認ください。

本記事の内容
京都のオーバーツーリズムの現状

活用できる補助金の全体像

観光庁:面的受入環境整備促進事業

京都府:朝・夜観光推進事業

京都市の具体的取組事例

申請時の注意点

補助金申請の代行・サポート

よくある質問

まとめ

1. 京都のオーバーツーリズムの現状

京都市が2026年6月12日に公表した「令和7年(2025年)京都観光総合調査」によれば、2025年の観光客数は6,279万人、観光消費額は2兆474億円で、いずれも過去最高を更新しました。宿泊客数は1,659万人です。

同時に、観光体験の質を示す指標は逆方向に動いています。「混雑を避けるために意識してとった行動がある」と答えた割合は日本人50.9%・外国人54.0%。「残念なことがあった」割合は日本人47.2%・外国人21.0%でした。市バスの混雑、東山・嵐山・伏見稲荷周辺の歩道渋滞、住宅地への観光客流入など、市民生活への影響が課題になっています。

こうした状況の中、観光庁の令和8年度予算には「オーバーツーリズムの未然防止・抑制をはじめとする観光地の受入環境整備の促進」として100億円が計上されました。あわせて国際観光旅客税(出国税)が2026年7月1日以後の出国から1,000円→3,000円に引き上げられ、増収分はオーバーツーリズム対策・地方誘客・受入環境整備に充てられる見込みで、財源面でも対策が後押しされています。

出典:京都市産業観光局「令和7年 京都観光総合調査」(2026年6月12日公表)/観光庁「令和8年度 観光庁関係予算」

2. 活用できる補助金の全体像

制度名申請主体補助上限・補助率2026年度の公募状況
面的受入環境整備促進事業
地域一体型
地方公共団体、登録DMO2億円・2/3以内一次・二次とも終了
面的受入環境整備促進事業
一般型
地方公共団体、登録DMO、民間事業者等5,000万円・1/2以内一次・二次とも終了
オーバーツーリズム対策等観光交通確保事業事業による事業による公募情報を要確認
朝・夜観光推進事業観光事業者300万円・1/2公募情報を要確認

※三次公募の有無、および次年度の公募開始時期は、観光庁の公募情報ページで最新の状況をご確認ください。

3. 観光庁:面的受入環境整備促進事業

2026年度の中心となる制度です。「地域一体型」と「一般型」の2類型に分かれており、類型によって申請できる主体が異なります。

項目地域一体型一般型
類型概要地方公共団体・登録DMOが中心となり、地域の多様な観光関連事業者等と連携して面的な受入環境整備を行う多様な観光関連事業者が、一又は複数の者が連携しながら受入環境整備を行う
申請主体地方公共団体、登録DMO地方公共団体、登録DMO、民間事業者等
補助対象者地方公共団体、登録DMO、民間事業者等
補助上限・補助率2億円・2/3以内5,000万円・1/2以内
主な要件申請時点で申請主体を含む地域の関係者による協議の場を設けていること/その協議の場に地域住民の意見を取り込める方法を取り入れていること/申請主体がDMOの場合は関係する地方公共団体と連携すること申請主体が地方公共団体以外の場合、関係する地方公共団体との連携が必要(連携を証する書類の提出)

出典:観光庁「令和8年度『オーバーツーリズムの未然防止・抑制をはじめとする観光地の面的受入環境整備促進事業』二次公募開始及び公募説明会の開催」(2026年7月2日更新)

重要:一般型であれば、観光事業者が単独で申請主体になることができます。ただし関係する地方公共団体との連携が必須で、同意書の提出が求められます。締切直前に自治体へ相談しても間に合いません。公募開始の前段階から、京都市・京都府・京都市観光協会等の担当窓口と話をつけておく必要があります。

京都で想定される活用パターン

混雑エリアの分散誘導システム

東山・嵐山・伏見稲荷等でリアルタイム混雑情報を発信し、デジタルチケットや時間指定予約制で観光客を分散。

観光客と住民の動線分離

住宅地への流入を抑制するための案内サイン整備、多言語デジタルマップ、代替ルートの提示。

手ぶら観光・荷物配送

京都駅を起点とした手荷物巡回バスの運行。大型キャリーケースによるバス・歩道混雑を軽減。

公共交通の混雑対策

観光特急バスの運行、地下鉄や鉄道への誘導、タクシー乗り場の滞留対策。

4. 京都府:朝・夜観光推進事業補助金

昼間の混雑を避け、早朝(日の出〜9時)・夜間(18時〜日の出)の観光コンテンツを造成する京都府独自の制度です。時間の分散によるオーバーツーリズム緩和と、滞在時間延長による消費額拡大を同時に狙います。観光事業者が直接申請できる点が特徴です。

区分補助上限補助率
継続型(通年プログラム)300万円1/2
単発型(イベント等)100万円1/2
ツアー販売支援1コース20万円

活用事例

早朝拝観プログラム

寺社の早朝特別拝観(6:00〜8:00)を商品化。座禅体験や朝粥付きプランで高単価化。

ナイトカルチャーツアー

夜の祇園散策、町家でのバー体験、夜間ライトアップと連動したガイドツアー。

「もうひとつの京都」周遊

海の京都・森の京都・お茶の京都・竹の里へ、市内集中を分散する府域周遊ツアー。

5. 京都市の具体的取組事例(補助金活用)

京都市はすでに観光庁のオーバーツーリズム対策補助金を積極的に活用しています。実際の取組事例を紹介します。

HANDS FREE BUS(手ぶら観光バス)

京都駅烏丸口を起点に、市内宿泊施設を巡回する手荷物専用バスを運行。大型キャリーケースの持込みによる市バス混雑を軽減。

観光特急バス

2024年6月から運行。主要観光地への移動時間短縮と、並行する一般系統の混雑緩和を目的とし、停留所を主要観光地に絞った別建て運賃の系統。

期間限定多言語案内所

紅葉シーズンの土日に京都駅に臨時案内所を設置。地下鉄や観光特急バスなど大量輸送手段への誘導を実施。

「とっておきの京都」場所の分散化

伏見、大原、高雄、山科、西京、京北の6エリアへの分散誘導。ガイドブックに載らない隠れた魅力を情報発信。

清水坂観光駐車場の観光バス予約制

2026年10月7日から12月10日まで、観光バスを完全予約制とし、その枠を確保するため自家用車の受入れを制限。五条坂の入庫待ち渋滞の緩和が目的。

6. 申請時の注意点

① 類型によって申請主体が違う

面的整備事業のうち、地域一体型は地方公共団体・登録DMOのみが申請主体です。一般型は民間事業者等も申請主体になれますが、地方公共団体以外が申請する場合は関係自治体との連携を証する書類が必要になります。

② 自治体との調整は公募前から始める

一般型で申請する場合、自治体の同意書が要件です。公募開始後に相談を始めると、書類が間に合いません。前年度のうちに担当課と接点を持っておくことをお勧めします。

③ 交付決定前の発注は補助対象外

国の補助金に共通するルールです。事前着手届出制度を活用する場合も、所定の期日までに届出を行う必要があります。

④ 「対策」だけでなく「効果測定」が求められる

オーバーツーリズム対策補助金は、取組の実施だけでなく、データに基づく効果測定と住民合意形成のプロセスが重視されます。

⑤ 単独で申請しやすい制度も見逃さない

京都府の朝・夜観光推進事業は、観光事業者が直接申請可能です。金額規模は小さくても、着手のハードルが低い制度から始める選択肢があります。

7. 補助金申請の代行・サポート

オーバーツーリズム対策の補助金は、制度ごとに申請主体(自治体・DMO/観光事業者)や求められる要件が異なり、効果測定や住民合意形成のプロセスまで問われます。当事務所は補助金サポート実績105社超・採択率73%、京都の観光事業者へのサポート実績をもとに、制度選定から計画づくり・申請まで支援します。

どの制度が自社に合うか整理したい方

面的整備事業の地域一体型・一般型、朝・夜観光、中小企業庁系の省力化・IT導入など、立場と投資内容に応じて最適な制度をご提案します。

自治体・DMOとの連携を組み立てたい方

一般型で必要になる自治体の同意書取得や、地域一体型の取組への参画について、役割分担と計画の枠組みづくりを支援します。

朝・夜観光など直接申請できる制度を使いたい方

早朝拝観・ナイトツアー等のコンテンツ造成計画と、効果測定・販売計画まで含めた申請書づくりを伴走します。

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8. よくある質問

Q. 京都のオーバーツーリズム対策に使える補助金はありますか?

はい。観光庁の面的受入環境整備促進事業(地域一体型2億円・2/3、一般型5,000万円・1/2)と、京都府の朝・夜観光推進事業補助金(上限300万円・1/2)が中心です。

Q. 民間の観光事業者でも申請できますか?

できます。面的受入環境整備促進事業のうち一般型は、地方公共団体・登録DMOに加えて民間事業者等も申請主体になれます。ただし申請主体が地方公共団体以外の場合、関係する地方公共団体との連携を証する書類の提出が必要です。地域一体型は地方公共団体・登録DMOが申請主体です。京都府の朝・夜観光推進事業は観光事業者が直接申請できます。

Q. 面的整備事業の公募はいつですか?(受付状況)

2026年度は一次公募が2026年5月29日12:00、二次公募が2026年7月17日12:00でいずれも計画申請の受付を終了しています。一次公募の採択結果は2026年7月10日に公表されました。三次公募の有無は観光庁の公募情報ページでご確認ください。

Q. 補助上限額・補助率はどのくらいですか?

面的受入環境整備促進事業は、地域一体型が2億円(補助率2/3以内)、一般型が5,000万円(補助率1/2以内)です。京都府の朝・夜観光推進事業は、継続型300万円・単発型100万円(いずれも補助率1/2)です。

Q. 申請で特に気をつけることは?

交付決定前の発注は補助対象外になります。また、取組の実施だけでなくデータに基づく効果測定と住民合意形成が重視されます。一般型で申請する場合は自治体の同意書が要件になるため、公募開始前から担当課との調整を始めてください。

9. まとめ

・観光庁の令和8年度予算に、当該事業として100億円を計上
・面的整備促進事業は地域一体型2億円(2/3)/一般型5,000万円(1/2)
一般型は民間事業者等も申請主体になれる(自治体との連携が必須)
・2026年度の公募は一次・二次とも終了。三次公募の有無は要確認
・京都府の朝・夜観光推進事業:観光事業者が直接申請可能(上限300万円)
・京都市は手ぶら観光バス、観光特急バス、分散誘導等で対策を進めている

2026年度 観光系補助金の詳細記事はこちら | 2026年度 補助金総合ガイドはこちら | オーバーツーリズムの現実|京都と観光地

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