新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは|3枠・補助率・上限・申請要件を行政書士が解説【2026年第1回】

新事業進出・ものづくり
商業サービス補助金 2026
第1回公募

革新的な新製品開発・新市場進出・輸出体制強化を最大9,000万円支援。
新設された統合制度の3枠・要件・注意点を、第1回公募要領に基づき解説します。

9,000万円

補助上限

1/2〜2/3

補助率

9/30

応募締切

行政書士 潮海俊吾
執筆・監修:行政書士 潮海 俊吾
京都府行政書士会(登録番号19272132号)
補助金サポート実績 105社超 / 採択率73%
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【結論】新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、革新的な新製品・新サービス開発、既存事業と異なる新市場への進出輸出体制の強化に取り組む中小企業を支援する国の補助金です。補助上限は枠・従業員規模により2,500万〜9,000万円、補助率は中小企業者1/2〜2/3。第1回公募は2026年8月31日受付開始〜9月30日(水)18:00締切。公式には別制度として案内されていますが、ものづくり補助金・新事業進出補助金・事業再構築補助金の直近受給者を対象外とする建付けから、これらを引き継ぐ統合後継の制度と位置づけられます。

30秒でわかる:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回)

・新製品開発・新市場進出・輸出体制強化に取り組む中小企業を支援する国の補助金です(ものづくり・新事業進出補助金の統合後継)。
・枠は「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3つ。
・補助上限は最大2,500万〜9,000万円(枠・従業員数・賃上げ特例で変動)、補助率は中小企業者1/2〜2/3、補助下限は枠により100万円または750万円です。
・革新枠は機械装置・システム構築費が必須、新事業進出枠・グローバル枠は機械装置・システム構築費または建物費が必須です。
・補助事業後3〜5年で、付加価値額+4.0%・一人当たり給与+3.5%・事業場内最低賃金が地域別最賃+30円の達成が必要(未達は返還)。
・第1回は公募開始6/29・申請受付8/31・締切9/30 18:00厳守、採択発表は12月頃の見込みです。
・事業計画は事業者自身が作成する必要があり、行政書士は作成支援・確認の立場で関与します。
・ものづくり・新事業進出・事業再構築を直近で受給中/採択済みだと申請できない場合があります。

本記事の内容
制度概要と第1回スケジュール

3つの枠(革新枠・新事業進出枠・グローバル枠)

補助額・補助率と対象経費

補助対象事業の要件と返還リスク

補助対象者・対象外(既存補助金との関係)

加点項目

申請の流れと注意点

申請を行政書士に頼むとできること

よくある質問

まとめ

1. 制度概要と第1回スケジュール

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、中小企業の付加価値向上と賃上げを目的に、国(中小企業基盤整備機構)が設備投資等を支援する補助金です。技術的革新性のある製品・サービスの開発、既存事業と異なる新市場・高付加価値事業への進出、海外市場開拓に向けた国内体制の強化という3つの方向性を、それぞれ専用の枠で支援します。

位置づけには注意が必要です。公式サイト上は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」「中小企業新事業進出補助金」とは異なる補助金と明記されています。一方で、公募要領ではこれら2制度や事業再構築補助金の直近受給者を申請対象から除外・減点する条項が設けられており、この建付けから両制度を実質的に引き継ぐ統合後継の制度として運用されると考えられます(この性格づけは公募要領の構造に基づく当事務所の見解で、公式が明言しているものではありません)。

項目内容
公募回第1回
公募開始2026年6月29日(月)
申請受付開始2026年8月31日(月)
応募締切2026年9月30日(水)18:00(厳守)
採択発表(予定)2026年12月頃
事業実施期間革新枠:交付決定日から10ヶ月以内/新事業進出・グローバル枠:14ヶ月以内
申請方法電子申請システムのみ(GビズIDプライム必須)
採択実績:第1回のため採択実績は未発表です。採択率の予測は困難なため、本記事では公表値のない数値は記載していません。

補助金申請を行政書士に依頼する場合の流れや料金は、 補助金申請代行サービスのページで詳しく説明しています。

2. 3つの枠(革新枠・新事業進出枠・グローバル枠)

枠は取り組む事業の性質によって選びます。1回の公募につき1事業者1申請が原則です(議決権50%超の子会社や、代表者・住所が同じ法人などは「みなし同一事業者」として1申請に制限されます)。

① 革新的新製品・サービス枠

革新的な新製品・新サービスの「開発」を支援。既存プロセスの改善・向上や、単に機械装置を導入するだけで開発を伴わないものは対象外です。同業他社で既に相当程度普及している製品・サービスの開発も該当しません。

② 新事業進出枠

既存事業と異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援。要件は製品等の新規性市場の新規性(いずれも自社にとっての新規性で、日本初・世界初は不要)。公募開始日以降に初めて取り組む事業も新規性ありとみなされます。審査では「ジャンルの普及度の低さ」または「高水準の高付加価値化」のいずれかを客観データで示します。

③ グローバル枠

輸出に向けた国内製造拠点の強化を支援。自社製品を活用した自発的な海外販路開拓が要件で、取引先主導の事業は対象外。海外旅費・通訳翻訳費も補助対象になります。

【比較】ものづくり補助金・新事業進出補助金との違い

本制度は、ものづくり補助金と新事業進出補助金の役割をそのまま引き継ぎ、3つの枠に再編した統合制度です。どの旧制度がどの枠に対応するかを整理すると、自社がどの枠で申請すべきかが見えてきます。

どの枠に引き継がれた?

旧:ものづくり補助金
(製品・サービス高付加価値化)

革新的新製品・サービス枠新製品・新サービスの開発

旧:新事業進出補助金

新事業進出枠新市場・高付加価値事業への進出

旧:両制度のグローバル要素

グローバル枠輸出に向けた国内体制の強化

3制度の比較表

項目 ものづくり補助金
〔旧〕
新事業進出補助金
〔旧・第4回で終了〕
新事業進出・ものづくり
商業サービス補助金
〔新・統合〕
位置づけ 「革新枠」の前身 「新事業進出枠」の前身 3枠に統合した後継制度
対象の中心 革新的な新製品・新サービスの開発 既存事業と異なる新市場への進出 開発+新市場進出+輸出体制強化
補助上限 750万〜2,500万円(高付加価値化枠) 2,000万〜8,000万円(特例9,000万) 革新2,500万/新事業進出・グローバル7,000万(特例9,000万)
補助下限 100万円 750万円 革新100万/新事業進出・グローバル750万
補助率 1/2(小規模・再生2/3) 1/2(特例で2/3) 革新1/2(2/3)・新事業進出1/2(2/3)・グローバル2/3
建物費 ×対象外 ○対象 革新×/新事業進出・グローバル
グローバル対応 グローバル枠あり 専用枠なし 専用「グローバル枠」を新設
賃上げ・最賃要件 給与+3.5%/最賃+30円 給与+3.5%/最賃+50円 給与+3.5%/最賃+30円(賃上げ特例で合算+50円)
公募状況 第23次終了・第24次は未発表 第4回(6/19締切)で最終回 第1回 受付8/31〜締切9/30

※旧2制度の数値は各旧制度の公募要領に準拠した概要です(最新値は各公募要領をご確認ください)。新制度の数値は第1回公募要領(1.0版)に基づきます。旧制度で運用されていた要件のうち、新制度では事業場内最低賃金の基準が地域別最低賃金+30円(賃上げ特例適用時は合算+50円)に整理されています。

申請を検討する際の要点:旧2制度の直近受給者は新制度の対象外・減点になる場合があります(締切日起点16ヶ月以内の採択・実施中、過去3年で交付決定2回以上など)。対象者・対象外の詳細はこちら

3. 補助額・補助率と対象経費

補助上限は枠と従業員数で決まり、賃上げ特例を適用すると上限が引き上がります(カッコ内)。補助率は枠ごとに異なり、地域別最低賃金引上げ特例の適用で引き上がる場合があります。

革新的新製品・サービス枠(補助下限100万円)

従業員数補助上限(賃上げ特例時)
1〜5人750万円(850万円)
6〜20人1,000万円(1,250万円)
21〜50人1,500万円(2,500万円)
51人以上2,500万円(3,500万円)

※補助率:中小企業者1/2(特例で2/3)、小規模企業・小規模事業者・再生事業者2/3。

新事業進出枠・グローバル枠(補助下限750万円)

従業員数補助上限(賃上げ特例時)
1〜20人2,500万円(3,000万円)
21〜50人4,000万円(5,000万円)
51〜100人5,500万円(7,000万円)
101人以上7,000万円(9,000万円)

※補助率:新事業進出枠は中小企業者1/2(特例で2/3)、グローバル枠は中小企業者2/3。

補助対象経費

機械装置・システム構築費、建物費(新事業進出・グローバル枠のみ)、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、原材料費、広告宣伝・販売促進費。グローバル枠はこれに海外旅費・通訳翻訳費が加わります。

革新枠は機械装置・システム構築費が必須、新事業進出枠・グローバル枠は機械装置・システム構築費または建物費のいずれかが必須です。区分ごとに上限があり、技術導入費・知財は各1/3、外注費1/4、専門家経費1/5、広告宣伝費は補助事業の年間売上見込×5%、通訳翻訳費30万円などが目安です。

対象外の主な経費:太陽光等の再エネ発電設備とFIT/FIP関連費は一切対象外。汎用パソコン・カメラ等、家賃・保証金、車両・船舶・航空機、消費税相当額なども対象外です。中古設備は3者以上の古物商相見積があれば対象、機械装置は単価10万円(税抜)以上が条件です。

4. 補助対象事業の要件と返還リスク

採択後は、補助事業終了後3〜5年の事業計画で数値目標をすべて満たす必要があり、未達の場合は補助金の返還義務が生じます。計画段階の見栄えだけでなく、達成可能性が重視されます。

  • 付加価値額要件:年平均成長率 +4.0%以上の増加
  • 賃上げ要件:一人当たり給与支給総額を年平均 +3.5%以上増加(未達は未達成率を乗じた額を返還/ゼロ・マイナスは全額返還)
  • 事業場内最賃要件:事業場内最低賃金が地域別最低賃金より +30円以上(毎年。未達年ごとに「交付額÷計画年数」を返還)
  • ワークライフバランス要件:一般事業主行動計画を「両立支援のひろば」で公表(締切日時点で有効。全事業者必須)
  • 子育て等職場環境整備要件:ライフデザインサービス/家事代行・ベビーシッター/既存制度の周知 から1つを実施(くるみん等の認定で免除)
  • 金融機関要件:借入で実施する場合は「金融機関による確認書」を提出(自己資金のみなら不要)
賃上げ特例で上限増額を取る場合:給与支給総額を合計 +6.0%以上、事業場内最低賃金を合計 +50円以上に引き上げる必要があり、未達の場合は引き上げ分の補助金が全額返還となります。返還免除は、付加価値額が増えず営業利益が過半数の年で赤字の場合や、天災等の場合に限られます。

5. 補助対象者・対象外(既存補助金との関係)

対象は日本国内に本社と実施場所を持つ中小企業者等です。過去の補助金受給歴によって申請できない・減点されるケースが明確に定められている点に注意が必要で、申請前に各社の補助金履歴の確認が欠かせません。

  • 申請締切日を起点に16ヶ月以内に、事業再構築・新事業進出・ものづくり・本補助金で採択された事業者、または締切時点でこれらの交付決定を受けて実施中の事業者は対象外
  • 過去3年間に、事業再構築・新事業進出・ものづくりの交付決定を合計2回以上受けた事業者は対象外
  • 従業員0名の事業者は対象外。新事業進出枠は創業1年未満(最低1期分の決算書が必要)も対象外
  • みなし大企業、確定した直近3年の課税所得の年平均が15億円超の事業者なども対象外
  • 過去3年にものづくり・新事業進出で交付決定1回がある、過去補助事業の事業化段階が低い、過去の賃上げ・最賃要件が未達などは減点
併用の考え方:複数の補助金へ同時に応募すること自体は可能ですが、複数採択された場合は交付を受ける補助金を1つだけ選んで交付申請する必要があります。

6. 加点項目

採択率を高める加点項目が用意されており、いずれも申請締切日時点で満たしている必要があります。準備に時間のかかる認定は早めの着手が有利です。

パートナーシップ構築宣言、くるみん(次世代法認定)、えるぼし、健康経営優良法人2026、経営革新計画、事業継続力強化計画、DX認定、J-Startup、再生事業者、研究開発費・試験研究費の計上、地域別・事業場内の最低賃金引上げ など。グローバル枠では新規輸出1万者支援プログラム等の登録も加点対象です。

法人設立と新事業進出を同時に検討されている方は、法人の種類と選び方もご覧ください。株式会社と合同会社の違いや設立費用を比較解説しています。

7. 申請の流れと注意点

1

GビズIDプライム取得+一般事業主行動計画の公表

GビズIDは発行に約1週間、行動計画の公表は1〜2週間。いずれも遅れによる締切延長は認められないため早めに着手を。

2

枠の選定と適格性チェック

3枠のどれに当てはまるか、既存補助金の受給歴で申請可能かを確認。必須経費(機械装置・システム構築費/建物費)の有無も確認。

3

事業計画書の策定(事業者自身が作成)

新規性・市場性・収益性と、付加価値額・賃上げの数値計画を具体的な根拠とともに記載。作成自体は事業者が行う必要があります。

4

電子申請(8月31日〜9月30日)

締切18:00厳守。入力には数時間かかるため、締切間際のシステム混雑を見込んで余裕をもって。

5

口頭審査(必要に応じて)

Zoom等で1社15分程度。申請者本人のみが対応でき、支援者・コンサルの同席は一切不可。早く申請した事業者ほど受験日時を優先的に選べます。

6

採択・交付申請・事業実施

採択発表は12月頃。交付決定後に発注・着手(交付決定前の発注は対象外)。革新枠は10ヶ月、その他は14ヶ月以内に完了。

実績報告の期限:補助事業完了日から起算して30日を経過した日、または完了期限日のいずれか早い日までに実績報告を提出しないと交付決定が取り消されます。
外部支援者ルール:支援を受ける場合は、電子申請に支援者名・支援内容・報酬予定額・契約期間の記載が必要です。未記載は不採択・取消の対象。サービス内容とかけ離れた高額な成功報酬や経費の水増しは通報・公表の対象です。

8. 申請を行政書士に頼むとできること

本補助金は、枠ごとに異なる適格性の判断、新規性・市場性の説明、付加価値額・賃上げの数値計画の作り込み、口頭審査の準備が採択を左右します。事業計画書の作成自体は事業者が行う必要があり、行政書士は作成支援・確認の立場で関わります(令和7年改正後の取扱い)。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の申請サポートでできること

当事務所は、補助金サポート実績105社超・採択率73%。本補助金では、(1)3枠のどれに当てはまるか・既存補助金の受給歴で申請可能かの適格性判定、(2)新規性・市場性・収益性を数値で示す事業計画の論点整理と表現のブラッシュアップ、(3)経費区分の整理と相見積の段取り、(4)付加価値額・賃上げ計画の設計、(5)加点・添付書類の準備、(6)GビズID・電子申請・口頭審査の想定問答までを支援します。料金は着手金+成果報酬制で、サービス内容に見合う水準を明示します。第1回の締切(9月30日18:00)まで日が限られていますので、早めにご相談ください。補助金申請代行サービスの詳細はこちら

9. よくある質問

Q. ものづくり補助金や新事業進出補助金とどう違いますか?

公式には別の補助金として案内されていますが、公募要領でこれら2制度や事業再構築補助金の直近受給者を対象外・減点とする条項があるため、実質的にこれらを引き継ぐ統合後継の制度として運用されると考えられます。

Q. 補助金の上限額はいくらですか?

枠と従業員数で異なり、革新枠は最大2,500万円(賃上げ特例3,500万円)、新事業進出枠とグローバル枠は最大7,000万円(賃上げ特例9,000万円)です。補助率は中小企業者で1/2〜2/3です。

Q. 第1回公募の締切はいつですか?

2026年9月30日(水)18:00です。延長は認められず、GビズIDや一般事業主行動計画の準備の遅れも考慮されません。採択発表は12月頃の見込みです。

Q. 建物費は補助対象になりますか?

新事業進出枠とグローバル枠で対象になります(革新枠は機械装置・システム構築費が必須で建物費は対象外)。建物の単なる購入・賃貸は対象外で、入札または相見積が必要、不動産賃貸への転用は一切認められません。

Q. 補助金の申請代行は違法ですか?

補助金申請に関する書類作成を業として行えるのは行政書士です。ただし本補助金では事業計画書の作成自体は事業者が行う必要があり、行政書士は作成支援・確認の立場で関与します(行政書士法第一条の二・第19条第1項、令和7年6月13日 総行行第283号)。

10. まとめ

第1回のポイント

・補助上限2,500万〜9,000万円、補助率中小1/2〜2/3(枠で異なる)
・応募締切は2026年9月30日(水)18:00、新事業進出・グローバル枠は建物費も対象
・枠は革新/新事業進出/グローバルの3つ。1事業者1申請が原則
・補助事業後3〜5年で付加価値+4.0%・給与+3.5%・事業場内最賃+30円の達成が必要(未達は返還)
・GビズIDと一般事業主行動計画の公表が必須。口頭審査は本人のみ
・ものづくり・新事業進出・事業再構築の直近受給者は対象外・減点に注意

本記事は、2026年6月29日公開の第1回公募要領(1.0版)に基づき作成しています(最終確認日:2026年7月1日)。公募要領は改訂される場合がありますので、申請時には最新版をご確認ください。

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