使える補助金 2026
観光庁予算100億円の面的整備事業から、京都府独自の朝・夜観光推進事業まで。
京都の観光事業者・自治体・DMOが活用できる制度を整理します。
本記事の内容
・ 京都のオーバーツーリズムの現状
・ 活用できる補助金の全体像
・ 観光庁:面的受入環境整備促進事業
・ 京都府:朝・夜観光推進事業
・ 京都市の具体的取組事例
・ 申請時の注意点
・ まとめ
1. 京都のオーバーツーリズムの現状
2025年の訪日外国人数は約4,270万人と過去最多を記録し、消費額も約9兆5,000億円に達しました。京都はその中でも最も深刻なオーバーツーリズムに直面しています。
市バスの混雑、東山・嵐山・伏見稲荷周辺の歩道渋滞、ごみの放置、騒音、住宅地への観光客流入など、市民生活への影響が大きな課題になっています。京都市は2027年度に市営バスの「市民割引・観光客値上げ」の二重運賃制度の導入を目指すなど、対策の深度を増しています。
こうした状況の中、観光庁は2026年度のオーバーツーリズム対策予算を前年比約8.3倍の100億円に増額しました。
2. 活用できる補助金の全体像
| 制度名 | 主体 | 最大額 | 公募状況 |
|---|---|---|---|
| 面的受入環境整備促進事業 | 観光庁 | 2億円 | 5/29締切 |
| 持続可能な観光推進事業(実証・個別型) | 観光庁 | 事業による | 三次公募中 |
| OT対策等観光交通確保事業 | 観光庁 | 事業による | 公募情報確認 |
| 朝・夜観光推進事業 | 京都府 | 300万円 | 公募情報確認 |
3. 観光庁:面的受入環境整備促進事業
2026年度の最大の目玉制度です。予算100億円、補助上限2億円(補助率2/3)と大型で、地方公共団体やDMOが主体となる地域一体型の取組を支援します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 予算 | 100億円(前年比約8.3倍) |
| 補助上限 | 地域一体型:2億円(2/3) 実証・個別型:5,000万円(1/2) |
| 対象主体 | 地方公共団体、DMO(観光地域づくり法人) |
| 公募締切 | 2026年5月29日 |
| 事前着手届出 | 2026年4月17日 12:00まで |
京都で想定される活用パターン
混雑エリアの分散誘導システム
東山・嵐山・伏見稲荷等でリアルタイム混雑情報を発信し、デジタルチケットや時間指定予約制で観光客を分散。
観光客と住民の動線分離
住宅地への流入を抑制するための案内サイン整備、多言語デジタルマップ、代替ルートの提示。
手ぶら観光・荷物配送
京都駅を起点とした「HANDS FREE BUS」のような手荷物巡回バスの運行。大型キャリーケースによるバス・歩道混雑を軽減。
公共交通の混雑対策
観光特急バスの運行、地下鉄や鉄道への誘導、タクシー乗り場の滞留対策。
4. 京都府:朝・夜観光推進事業補助金
昼間の混雑を避け、早朝(日の出〜9時)・夜間(18時〜日の出)の観光コンテンツを造成する京都府独自の制度です。時間の分散によるオーバーツーリズム緩和と、滞在時間延長による消費額拡大を同時に狙います。
| 区分 | 補助上限 | 補助率 |
|---|---|---|
| 継続型(通年プログラム) | 300万円 | 1/2 |
| 単発型(イベント等) | 100万円 | 1/2 |
| ツアー販売支援 | 1コース20万円 | — |
活用事例
早朝拝観プログラム
寺社の早朝特別拝観(6:00〜8:00)を商品化。座禅体験や朝粥付きプランで高単価化。
ナイトカルチャーツアー
夜の祇園散策、町家でのバー体験、夜間ライトアップと連動したガイドツアー。
「もうひとつの京都」周遊
海の京都・森の京都・お茶の京都・竹の里へ、市内集中を分散する府域周遊ツアー。
5. 京都市の具体的取組事例(補助金活用)
京都市はすでに観光庁のオーバーツーリズム対策補助金を積極的に活用しています。実際の取組事例を紹介します。
HANDS FREE BUS(手ぶら観光バス)
京都駅烏丸口を起点に、市内宿泊施設を巡回する手荷物専用バスを運行。大型キャリーケースの持込みによる市バス混雑を軽減。大人500円、1日8便。
期間限定多言語案内所
紅葉シーズンの土日に京都駅に臨時案内所を設置。地下鉄や観光特急バスなど大量輸送手段への誘導を実施。
京都観光モラル宣言キャンペーン
特設サイトでクイズ形式の観光マナー啓発。全問正解者には観光事業者からの特典を提供。モラル推進宣言事業者は累計419件。
「とっておきの京都」場所の分散化
伏見、大原、高雄、山科、西京、京北の6エリアへの分散誘導。ガイドブックに載らない隠れた魅力を情報発信。
6. 申請時の注意点
① 個社単独では申請不可の制度がある
面的整備促進事業は地方公共団体・DMOが主体。観光事業者は地域の観光協会やDMOと連携して参画する形が基本です。
② 交付決定前の発注は補助対象外
国の補助金に共通するルールです。事前着手届出(面的整備は4月17日12:00まで)を出しても、交付決定前の経費は原則対象外。
③ 「対策」だけでなく「効果測定」が求められる
オーバーツーリズム対策補助金は、取組の実施だけでなく、データに基づく効果測定と住民合意形成のプロセスが重視されます。
④ 民間事業者が活用しやすい制度もある
京都府の朝・夜観光推進事業は、観光事業者が直接申請可能です。小規模な事業者でも活用しやすい制度を見逃さないでください。
7. まとめ
・観光庁のOT対策予算は前年比8.3倍の100億円に増額
・面的整備促進事業:補助上限2億円(2/3)、5月29日締切
・京都府の朝・夜観光推進事業:観光事業者が直接申請可能(上限300万円)
・京都市は手ぶら観光バス、分散誘導、モラル宣言等で国の補助金を活用中
・面的整備事業は個社単独不可→DMO・自治体との連携が必須
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